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ひらめきの月曜日
 
秋葉原の有料トイレに行ってきた

有料トイレ、名前は『オアシス@akiba』。名前がついているトイレも珍しい。


世の中には有料トイレというものがある。

京都や横浜、埼玉県の蕨市などにあり、都内だと新宿と、つい最近できた秋葉原のトイレが有名である。

用を足すだけのためにお金を出すのはもったいない気もするが、有料トイレの中がどうなっているのかはすごく気になる。

しかも、聞き挟んだ話によると係員が常駐していて、ゲームが楽しめたり、タウン情報なんかが得られたりするそうだ。

なんだそれ。それはトイレなのか?

ちょっと気になったので行ってみることにした。

(text by 梅田カズヒコ



オアシス@akiba入り口。誰も公衆トイレだとは思うまい。

営業時間は朝の7時〜夜の22時。意外に遅くまでやってます。

有料トイレ『オアシス@akiba』はJR秋葉原駅の中央改札口の近くにある。中央改札口は電気街とは反対方面で、ヨドバシカメラがあり、つくばエクスプレスへの乗り換えなどに便利な改札口だ。

秋葉原に行く場合はたいていの場合電気街口(あるいは昭和通口)で降りることが多く、電気街の雑然とした雰囲気が秋葉原だと思っていたので、中央改札のオフィス街っぷりはちょっと面食らった。秋葉原は変わった変わったと周りから聞いてはいたが、こういうことだったんですね。

改札口に隣接するロータリーの一角に『オアシス@akiba』がある。遠目から見たかぎりでは、公衆トイレだとは分からない。オフィス棟の入り口か、あたらしいめの図書館などの雰囲気に似てる。とても清潔な雰囲気だ。

ちなみに新宿の有料トイレも清潔感が漂ってはいるが、トイレ特有の男性用、女性用マークなどがあることや、『有料トイレ』と大きく記載されているので、トイレかどうか分からない、ということはない。

なので、秋葉原の有料トイレは日本で最も公衆トイレらしくないトイレと言えるかもしれない。

しかし、トイレがきれいすぎると逆にちょっとドキドキしてしまう。有料トイレに入るのが初体験ということも手伝って、入るのに少し躊躇していると係員さん? 店員さん? と目が合ったのでおっかなびっくり中に入る。(以降、この人を『係員さん』と呼ぶことにします)

 

 

トイレの中の様子。

SUICAが使えます。

中に入るとさっそく係員さんが話しかけてきてくれた。

係員さん「いらっしゃいませ」
僕「あ、あの、トイレ空いてますか?」
係員さん「空いてますよ」

トイレに入って話しかけられるのがはじめてなので、何を言っていいかわからず『空いてますか?』と聞いてしまった。間髪いれず、係員さんが説明をはじめてくれた。

係員さん「100円を投入口に入れていただくか、SUICAをタッチパネルに付けてください」
僕「SUICAが使えるんですか?」
係員さん「はい」

SUICAをおそるおそる近づけてみる。すると横の扉がうぃーんと動き出した。カードを差し出して扉が開く。動きとしてはICカードが必要なオフィスに近いが、扉の向こうにあるのはトイレである。なんだか妙な感じだ。新鮮で少し楽しいが、ますます尿意が退いてしまった。

中に入ると妙にいいにおいがした。

風鈴の音やら虫の音やらが入っている環境音楽が流れている。

普通、外出先でトイレに入ったら一刻も早く外へ出たくなるが、お金を払って入った場所なので、不思議と出るのがもったいない気がしてしまう。尿意がやってくるまでしばし中を見物させていただくことにした。

 

手洗い場

どこかに汚れはないか意地悪に探してみたがいっさい汚れと言う汚れのないきれいな手洗い場だった。通常のお店と違い、トイレのためだけに係員が常駐しているから当たり前と言えば当たりまえかもしれないが、うれしいサービスだ。

 

小便器

男性用の小便器は中に二つ。通常のトイレと違うところは、中央に仕切り板が張り出していて、混雑時に隣の人が用を足していても大事な部分が見えない仕組みになっているところ。(男子トイレを利用しない女性に説明いたしますと、男性用の小便器は通常は横に仕切り板はないため、隣の人が用を足していると、大事な部分が見ようと思ってなくても目に入ってしまう、ということになるのであります。このため、男同士で『連れション』に行った際、恥ずかしがりの僕たちは一個飛ばしで便器を陣取ることになるのであります。←なぜか敬語になってしまった)

 

個室(外観)

 

こちらは大便器用の個室の入り口。未確認だが、おそらく女性用もこうなっているのだろう。コンクリートの厚い仕切り板があるので音漏れしないほか、通常の男子トイレではあまり見かけないベビーシートもあった。

 

個室(内観)

個室の中の設備は特に真新しいものはありませんでした。右下は便座を拭くときに使う消毒液、右上は緊急時に係員を呼ぶボタン。このあたりが特筆すべき点か。

 

ランプが点灯

個室を使用すると室外のランプが点灯する。このトイレはオープン前、通称『ITトイレ』と呼ばれていたが、このあたりは少しだけ電脳っぽいか。

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トイレのスペースをすべて眺め回した頃にはすっかり尿意が復活して、無事用を足せました。確かにトイレにお金を払うのは少し不思議な気もするが、これだけいい思いのできるトイレを、秋葉原の駅前で味わえるのだったら、毎回寄ってもいいかもしれません。


トイレの外にあった金魚すくいのゲーム。他愛もないものですが、トイレから戻ってくる友達や恋人を待つにはちょうどいいかも。
こちらもトイレの外にあったプロジェクターを利用した秋葉原周辺の案内図。指で触れることによって画面が操作できる。

世界8ヶ国語の東京ガイドブックや、秋葉原駅周辺の駐車場マップなどが手に入ります。

トイレの中にあったガイドブックによると、女性用トイレには全身が見える姿見が付いた着替え台なんかが置いているようです。

係員さんに年間何人ぐらいの利用があるのか? と聞いたところオープン当初(オープンは今年の10月)は物珍しさも手伝って利用客は多かったそうだが、今は1日100人ぐらいに落ち着いているようだ。

今から30年ほど前は自動販売機でお茶を買うなんて考えられなかったようだ。「お茶はお金を払って買うようなものじゃなく、自分で沸かすものだ」と言われていたようだが、今ではすっかり当たり前になってしまった。

さらに今から20年前、ミネラルウォーターなんてよっぽどの物好きしか買わなかったようだが、今や水も買う時代である。

今はまだ有料トイレは一般的ではないが、今後は「外出先での清潔なトイレ」をお金で買う時代に突入するかもしれない。

その頃にはこの記事は前時代的な記事として笑いものになっているかもしれないのだ。時代の流れは恐ろしい。


[データ]
オアシス@akiba
千代田区神田花岡町1 (秋葉原駅東側広場内)
7時〜22時
お問い合わせ 03-3264-2111(千代田区環境土木部道路交通課)


 

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