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ひらめきの月曜日
 
ちゃぶ台返しのその後を考える

「おまえ、今なんて言った! そんなこと許さんぞ!」

がっちゃーん!

お膳の乗ったちゃぶ台を怒りに任せてひっくり返す“ちゃぶ台がえし”。イメージでは「巨人の星」の星一徹がやるアレだ(※)。

あんなこと、本当にやる人がいる(いた)のかどうか、ドラマの中だけの話だったのか、どちらにせよ私がいつも思うのは後片付けの大変さである。

ドラマでは語られることのない後片付けシーン。どれぐらいの労力と時間がかかるというのだろう。調べてみました。

※かなり強いイメージがついているが、実際物語の中では1度しかひっくり返していないらしい。毎週繰り返されるオープニングテーマ曲でその姿が出たためにイメージが強いとテレビかなにかでやっていた。

(text by 古賀 及子


ニセお膳で挑戦

今回は実際にお膳の乗ったちゃぶ台をひっくり返し、その惨事をもとどおりの食卓にセッティングするまでを体験してみたい。

早速ちゃぶ台をひっくりかえそうと思うが、実際のご飯をのっけてちゃぶ台をひっくりかえすのはもったいなすぎる。ので、とりあえず、作り物の食事を乗せた状態からスタートすることにした。

紙の焼き魚、紙のご飯、そしておみそ汁は水である。これで安心だ。さあ、お父さん、怒ってみましょうか。

「お父さーん、お食事の支度ができましたよー」


「おう、今日のおかずは何だ」

「ん? おしんこのひとつ、おひたしのひとつもないとは

何事だ」

「一家のあるじの食事をなんだと思ってるんだー!」


ひっくり返りました

昔は一汁三菜、大黒柱にはプラスおかず1品など家庭ごとに厳しくあるじを立てる決まりがあったとよく聞く。唐突に怒るとなって、何に対して怒っていいのかさっぱり分からず、適当にそんなことを怒ってみた。

実際こんなことでちゃぶ台ひっくり返すまでに起こる親父がいるかどうかは置いておき、では惨状をご覧下さい。


思った以上にぐっちゃぐちゃ! おみそ汁(水)がそこらじゅうに飛び散ってびちょびちょだ……」

早く片付けないと!

思った以上に大変なことになってしまったのだった。自分で企画のためにやったと分かっていても心がどきどきする。結構ショック。

まずよかったのは、食器類が割れなかったことだ。こんな豪快なことをしたのは初めてでひっくり返すのにかなり躊躇したから、力に加減があったのかもしれない。本物のお父さんの怒りを買った場合の惨状はこれ以上であると覚悟しなければならない。

復旧にかかる時間測定スタート!

何しろ片付けねば。これは現実で、ドラマではないのだ。シーンが変われば食卓はいつも通りというわけにはいかない。

では、ここから元通りになるまでの時間を測って行きたいと思います!


スタート

ご飯が想像以上に散らばった。紙だからよかったが、現実だったら米つぶでべとべとだ。細かく拾う。 みそ汁もひっくり返った勢いは相当のものだった。そこらじゅう水浸し。 家具にもとびちった!

本当のみそ汁だったら味噌の匂いで大変だったろう。 みそ汁をイメージして水拭き3回、からぶき1回した。 最後に新聞で水気を取る。

なんだか落ち込んできた?

掃除をしていていて、実はなんだかだんだん悲しくなってきていた。いやいや、別に本当に怒られたわけじゃないから。大丈夫だから。

イメージとしてはかなり一般化されてキャッチーになってギャグに使われたりもするちゃぶ台返し、そういえばこんなこと家庭で実際に起きたらかなり悲惨だ。思えば私の生家は平和だった。感謝。

大変な実験に手を染めてしまったと思いつつ、落ち込まないように歌を歌いながら掃除した。ハイホーハイホー♪

結局、畳は半乾きのところで自然乾燥させることにして、10分ちょいで掃除は終了した。


本当のご飯だったら倍は時間かかるんじゃないか。 

続いてご飯つくりなおし

片付けたら片付けたで、あとはもう一度ご飯を作りなおさなければならない。

父を怒らせてしまったご飯メニュー、次こそはきちんと作らねば。


ご飯だめにしちゃったから もう一度炊く! 魚も買いなおして


焼く! 出汁ひいて! よし、セッティング!

ぐったりと焦る

掃除中が落ち込んだ気分なら、ご飯の支度は「ぐったり」した気分だった。なぜさっき準備したご飯をまた炊かなければならないのか(実際は最初は紙と水だが)。

これはあれだ、80%作業が完了したときにセーブせずマシンがハングアップしたときの、あの気分だ。

さらになぜか、疲労を感じながら「早くしなきゃ」といやに焦ってもいた。

食べようと思ったご飯が食べられず、お腹がすいていたからかもしれない。

そして、ようやくすべてが元通りになった。


「お父さーん、ご飯作りなおしましたよー」

「なんだ、遅かったな」 「ん? おかずの数、増えてないじゃないか!」

しまった

実は、シナリオとしては今度はきちんと ほうれん草のおひたしを作り、塩焼きさんまに大根おろしを添えて白菜の浅漬けも用意はずだったのだ。

すっかり忘れてしまっていた。気落ちと疲れと焦りでうっかりしていたようだった。何やってんだ。

ここで本当だったら怒りに怒ったお父さんがもう一度ちゃぶ台返し、といくところなのかもしれないが↓


もういい、食べよう

怒る側ももうそんな気力はないようだった。

ちゃぶ台返し、実際やろうとなると、体力的にも精神的にもなかなかに体力を使うイベントだということがよくよく身にしみました。うがー。


食べ始めた時点で44分経っていました。早く食べたくて写真ブレるほど時間がかかったわけです。

「寺内貫太郎一家」を最近DVDで観ている。まだ見始めだが、いまのところちゃぶ台がひっくり返るシーンは一回も出てきていない。貫太郎が怒り出すと、すぐに家族がちゃぶ台をよそにのけて避難するのだ。

そのかわり、取っ組み合いが始まると(この取っ組み合いがケンカというより“すもう”なのがグッとくる)障子がめちゃくちゃになる。ある回でこの障子を最後にちゃんと張りなおしているシーンがあった。その様子はどこかあっけらかんとしていて、ああ、こういう家族はいいよなあとしみじみ思っていました。

つまり、やっぱり実験にしろ、家族あってのちゃぶ台返し。一人でちゃぶ台返しは寂しかったですわ。

ちゃぶ台をひっくり返したあと、みそ汁(水)を踏んで、まず靴下を脱いだ


 

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