発想の転換
たまに「海苔が内側で、ごはんが表側」という巻き物がありますね。あれは当初、海苔が苦手な外国人向けに作られたと聞いたことがありますが、本当なんでしょうか。
それが本当なら、これから作るカッパ巻きは、そんな彼らに大人気となるハズです。
どうだろう。コペルニクス的カッパ、とでも名付けたいところだが、大袈裟だろうか。
普通のカッパ巻きに飽きた人にも最適だし、なんたって作るのが簡単でいい。巻き簾も大判の海苔も不要だ。見た目も、なんだか可愛らしいじゃないか。
では、さっそくいただきましょう。
…うむ。最初に作ったものより、歯触りがいい。口もそんなに疲れない。酢飯が多いぶん醤油がたっぷり吸い付いて、うん、バリ…これは…ボリ…、イケル気がする。
さっきより知恵を絞った分、きちんと味に反映されたことが素直に嬉しい。もっと小ぶりに切り分けたら、いい箸休めとして活躍してくれそうだ。
よし、この調子でどんどん作ってみよう。
最初に作ったものを思いっきり繊細にしたカッパ巻きと言えるが、食感がずいぶん違う。そりゃそうだ。醤油もよく絡みついて、とてもおいしい。もう「乱暴な野菜スティック」とは言わせない。
続けて、こんなものも作ってみた。
どこまでもサッパリしたカッパ巻きが、少しのゴマでグッとコクが出ておいしくなった。細かく切られたキュウリがサクサクと歯に当たるのも心地よい。
これは食欲のない時など(滅多にないが)、たくさん作っておくと重宝しそうだ。
えーと、今日作ったなかで、唯一自信を持ってオススメ出来るのはコレになりそうです。しかし、これはカッパ巻きとは呼べないな、カッパ混ぜ巻きだな。河童もガッカリだ。でも仕方ない。人間だもの。
で、カッパ巻きを好きになれたか
結局、キュウリの占める面積が小さくなればなるほどおいしく感じてしまった私には、カッパ巻きを考察する資格などなかったのかもしれない。
でも、これほどカッパ巻きについて考えさせられたのは初めてで、いい経験になったとは思う。おかげで、近所のスーパーから買ってきた鉄火巻きを、普段の数倍おいしく食べることができた。
カッパ巻きを特集しておいて、締めが鉄火巻き。…ここに私の心情を察していただければ幸いです。