■乗り出し乙女
そして船上から眺められるのは以下のような素敵な工場ビューの連続。
45分間、こんな光景しか見えない。工場絵巻物クルージングである。とうぜんおふた方も夢中。
どうも杉浦さんは、夢中になると身の危険を顧みずずいずいと対象に迫っていってしまうかたのようで、そのアグレッシブな姿勢が一同を心配させた。
好きになった男性へのアプローチも同様のスタンスなのではないだろうか。
■塩の山、貴公子、難破船
なんとか海中に転落することなく済んだ杉浦さんと船を降りた一行は、その後も各種鑑賞ポイントへ向かったが、残念ながらそのすべてを紹介することができない。すでに書き始めてから4ページ目だが、この調子でいくと10ページは越えることが今判明した。
非常に残念だが、以下は特に彼女たちが食いついたステキな物件を駆け足で紹介しよう。断腸の思いで駆け足である。
まずはまさかの塩の山
それは遠く海外から運ばれてきた塩が船からパイプラインできれいに山となって保管されている現場だった。ナトリウムは工場では様々に活躍するポピュラー原料だが、こんな風に間近で鑑賞できる場所はそうはない。これを見るためだけでも鹿島に行く価値があるというものだ。
そして、今回一行のあいだで大人気だったのが下の、通称「貴公子」。
「工場見物」でも登場した、工場好きにはおなじみの蒸留塔なのだが、こんなふうに白くペイントされたものはぼくも初めて見た。
その高貴な佇まいは我々をして「貴公子」と呼ばしめた。福井さんなんかは「うっとりします」とまで言っていた。もうめろめろである。だいじょうぶか、福井さん。
そしてびっくりしたのが下の難破船。
工場ではないのだが、道中目に入って思わず車をとめて駆け寄ったのが、この難破船の見える海岸。
この日も非常に波が高く、壊れた船体の一部が波に揺られて「どーん、どーん」と不気味な音を立てていた。