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ちしきの金曜日
 
鉄を打って包丁を作ってきた
鉄を打って包丁つくってきました。

我が家には、普段の料理に使えるような包丁がない。

魚を捌くだけの包丁とか、刺身を引くだけの包丁とか、ウナギを裂くだけの包丁など、めったに使わない包丁はいろいろあるのだが、日々の料理で野菜などを切る包丁が100円ショップで買ったやる気のない包丁しかないのだ。

100円包丁、もちろん切れない。切れない包丁は危ないので、三徳包丁とか文化包丁とか呼ばれる普通の包丁で、ちょっといいやつを買おうかなと思っていたら、知人から千葉県に包丁を打たせてくれるところがあるという話を聞いた。

鍛冶なんてまるでやったことない分野だけれど、とても楽しそうだ。自分が普段使う包丁だし、自分で打てたら素敵だなということで、ちょっと鉄を叩いてきました。

(text by 玉置 豊



刃物工房のある刃物専門店、古川商店

包丁を打たせる店だというので、地方の工場みたいなところを想像していたら、千葉駅から徒歩でいける、大通りに面したところにあった。

この創業110余年を誇る古川商店では、店内の工房を使って刃物作り教室を開催しているのだ。


刃物専門店の古川商店。ここは刃物を売っているだけではなく、トンテンカンテン打っているのだ。 今回の先生、五代目古川さん。

 

下の鉄の塊が、上の形になったところからスタートだ。

包丁の原型をコークスで熱する

今回の刃物作り教室では、さすがにイチから包丁を作るわけではなく、四角い鉄の塊から大まかに包丁の形にしたところからのスタートだ。

とはいっても、まだまだ包丁と呼べるようなものではなく、この段階では秋田のナマハゲが持っている発泡スチロールの包丁みたいだ。

まずはコークスの炎で、包丁の原型がオレンジ色になるまで火入れする。ちょうどいい色の目安は、「夕日の色」だそうだ。そんな抽象的な詩的表現が職人っぽくてかっこいい。


包丁をコークスで火入れする。火を見ると肉とか焼きたくなるけれど今日は我慢。 夕日色になるまで熱された包丁。熱くなった鉄は男のロマンを感じさせる。

 

石焼き芋屋さんではない。

包丁を叩いて伸ばす

夕日色になるまで熱くなった包丁を台に乗せ、ハンマーで両面からまんべんなくガツンガツンと叩いて伸ばしていく。鉄を打つってシンプルに楽しい。

この叩き方にムラがあると、軟鉄に挟まれた鋼部分がゆがんでしまう。また何度も火入れするのも「鋼が荒れる=炭素が抜けてしまう」のでよくないらしい。素早く、均等に、丁寧に。うん、全部苦手だ。

理屈はわかっていても全然うまく伸びていかない。これでもかなり気合いを入れて叩いたつもりだったのだが、妙に厚みのある小振りな包丁になってしまった。

家事手伝いならぬ鍛冶手伝い、失格。


古川さんがやるととてもかっこいい包丁打ちなのだが、 私がやるとおままごとのようになってしまう。

がんばって叩いた包丁。あんまり伸びていない 包丁ってこんなに分厚かっただろうか。

「…ちょっとゆがんでますね。」 ベルトハンマーという機械でガンガン修正されるマイ包丁。

古川さんに微調整をしていただき、ハンマーを使う作業はここで一旦終了。鉄を叩きすぎて手首が痛い。


工房は道路から丸見えなので、よく通行人が覗いていきます。

続けて「研ぐ」作業に入ります。


  包丁を研ぐ >
 

 
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