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フェティッシュの火曜日
 
何でも食べ物に見える


ダイエットの一環として、たまに断食(ファスティング)をしている。日ごろ食べ過ぎがちな自分を戒めるため、また味覚をシンプルなものに戻すため、胃の中をゼロにしてリセットするのである。

断食の日は、朝起きてから夕方までは「へへん、食べなくても楽勝だぜ」くらいの気分でいられるのだが、夕方を過ぎたとたんもうダメだ。どうごまかして食物を摂取してやろうかという下衆な気分だけが、脳を支配する。

そんな脳が、見るもの見るものから食べ物を想像する、その様子をレポートしたい。これは割と実話である、念のため。

乙幡 啓子



タルト・オ・カタメール・テンプル

まずはこの一連の写真を見ていただきたい。揚げ物をした際、残った油を処理するときの模様である。


焦げたパン粉が底に沈んでいますな。
そこで油が熱いうちに、「固めるテンプル」といいまして、凝固剤を混ぜるわけですな。
固まりましたところ、うちでは捨てやすいように8等分するんでして。

その1つをすくい上げてみたところが、こちらでやんす。

おほ!これは!まるでタルトのようになっているではないか!下に溜まっている揚げ物クズが、タルト下地のビスケットのようである。これは、知らない人に出したらさくっと食べてしまうんではないだろうか。今度、やなやつがうちに来たら、出してみようか。


間違って自分が食べちゃ、だめだよ!

という風に、つい「食べ物に見えてしまう」物体。これがまた日常にけっこうトラップを張っており、「んん??」と2度見をしてしまうようなこともしばしばである。

この「凝固した油がタルトに見える」という経験から、今回のこの記事がスタートするのです。よろしいでしょうか。
例として、断食中のすきっ腹な自分には日常がどのように見えるか、皆さんとともに追って検証してみることにしよう。
フラフラフラーと、お外に出る。


 

 
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