プログラムの余白を狙って

イベントの主旨は「ハッピーなチョコと音楽をみんなで楽しむ」であって、僕の「お悩み相談」はあくまでもオマケだ。プログラムの中にも組込まれていない。

メインの出し物として、フェアトレードチョコの話とLeyonaさんのライブがそれぞれ30分間ずつ予定されている。その間はお悩み相談を受ける訳にはいかない。となると、チャンスは出し物と出し物の合間だ。開場からフェトレードの話までの30分間と、ご歓談の1時間、それにライブ終わりの30分間、合計2時間もある。これだけあれば、かなりの数のお悩み解決を見込める。

開場からフェアトレードのお話までの間に、この日最初のお客さんが僕の前に座った。

最初のお悩みは「安くて手軽な美白でモテたい」というものであった。2人とも同じ悩みだという。検索窓に「美白、安い、手軽、モテる」と入力した。

結果、33,900件のページが検出された。その中から僕が最適と思われるページを探し、目の前の女性にアドバイスを与えるのだ。

検索されたページを吟味した結果、「キアラセルCOゲル」というものの評判が良かったのでそれをお薦めした。女性二人組みは「キアラセルCOゲル」とメモを取り僕の前を離れた。

早速、悩める乙女の役に立つ事が出来た。この調子でどんどんいきたい所であるが、イベントはフェアトレードチョコのお話に入ってしまった。スライドを交え、フェアトレードチョコについての説明だ。

アウェイの風が吹く

チョコのお話が終わり、ここから1時間のご歓談に入る。僕にとってはメインの時間帯である。列が出来てしまったらまずい。なるべく手際良く検索をこなしていかなくてはいけない。

ところが、お客さんの関心はおいしい料理に集中してしまった。僕の方には見向きもしない。「悩み相談受け付けてますよー」とか、大きい声で呼び込む事も出来ず、ただ料理に並ぶ人たちを見つめる。

前に座っていたカップルが僕の机の上に料理を置いた。
ここは悩み相談の机で荷物置き場ではない。

かなりアウェイだ。

お客さんはフェアトレードのチョコやLeyonaさんの歌に興味があるのだ。見知らぬオッサンに悩みを打ち明けてくれるはずがない。冷静に考えれば、事前から十分に予想出来た事態だったのかもしれない。

プログラムはLeyonaさんのライブに移る。

Leyonaさんのライブ

みんなLeyonaさんの歌声に聞き入っている。僕もすっかり魅了された。
そして、ここまでに僕が検索で解決した悩みは1つ。人数にして2人である。