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ちしきの金曜日
 
東京湾工場クルーズ


もちろんキリンもいた

先日、船で横浜から新木場までの東京湾クルージングを体験した。その様子をお伝えしたい。工業風景好きにはたまらないコースだった。また行きたい。思い出すだけで興奮してくる。

(text by 大山 顕



■バージ船に乗って


通常、人が乗るものではない。

今回のクルーズはただのクルーズではない。なんとバージ船に乗っての小旅行なのだ。

バージ船とは、日本語では「艀(はしけ)舟」。これは貨物を積むためのもので、通常エンジンは付いておらず自力では動けない。トラックの荷台部分とでも言えば よいだろうか。形としては平たいのが特徴で、水深が浅い運河でも航行できるのが強みだ。かつては輸送の主役級だったのだが現在では他の輸送手段にとって代 わられてしまった。


後ろから見たところ。舵はついている。

もちろん今回乗るバージ船は、改造してあるもの。トラックの荷台が決して居心地がよくないように、バージ船もまたそのままでは人間が乗るものではない。


改造されたバージの"甲板"。板が敷かれ、ソファとかある。快適だ。

バージの底にあたる部分に向かって階段が付けられていて…
降りた先はなんだかとても素敵な空間に。ここはどこかのカフェか?
壁が元の錆びた鉄板剥きだしのままなのがまたかっこいい。

これは「L.O.B.」と名付けられた船で、"BOAT PEOPLE Association" というグループによって改造されたもの。このグループは、『都市に新しい「水上経験」をつくること』をテーマに活動している。かつて東京にも水上生活者が たくさんいて(いまもいないことはないけど)、東京湾はふつうに生活の場だった。それがいつのまにか産業のための場所となり、船で遊ぶことは金持ちの象徴 のようになってしまった。

でもよく考えたらべつに海や船は金持ちだけのものじゃない。もっとふつうに生活の中に"水上"があっていいんじゃないだろうか。そういう活動趣旨だ。まあ実際にはやっぱり法律とかいろいろ難しいことがあるんだけど、まずは経験をすることが第一歩だ。

しかしあれだよねえ、船持ってる金持ちとかってなんだか趣味悪く見えるよねえ。なんなんだろうかあれは。石原裕次郎とかの感じ。

もとはこんなだったとか。すげー。(BOAT PEOPLE Associationより)

■木場への引っ越しに便乗


ボートに引っ張られて木場まで行きます。向こうに見えるのはベイブリッジ。たのしいー!

この「L.O.B.」は実は「防災船」ということになっている。この船には発電設備なども備え付けられていて、たとえば大地震で陸上の交通が停まってしまったときにここへ避難し、海・川経由で帰宅困難者を送り届けたり情報拠点となったりする、という提案だ。なるほど。

実際にはこれ一隻だけではどうにもならないが、まず実験をしてみている、ということ。そして、冒頭でも触れたようにいまバージ船は物流の主流ではなくなっ て、そのほとんどが使われないまま東京湾岸にただ浮かんでいる。これをこのL.O.B.のように転用したらいいじゃん!ってことだ。なるほどー。


やおらビール片手。現在朝の9時過ぎです。

「っていうのは、建前というか表向きの説明で、まずはぼくら自身が水上を楽しんでる、っていうのがほんとだけどね」とメンバーの山崎さん。今回ぼくをこの小旅行に誘ってくれた方だ。

たしかに水上って、それだけで楽しい。なんだろうこのわくわくは。これを金持ちだけのものにしとくのはくやしいなあ。

そして、今回大人の事情でこの「L.O.B.」を横浜から、木場へ引っ越しさせなくてはならなくなった。それに便乗したしだい。船って、クルマをちょっと路駐するのりで係留させとくわけにはいかないのだ。許可をとったりお金がかかったりと、たいへんだと思う。


今回の引っ越しコース。およそ三時間の行程だ。(線は正確じゃないです。だいたいこんな感じだったかと)

 

 
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