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フェティッシュの火曜日
 
ジェットコースターのゆれでバターはできるのか
ただいまバターを手作り中


 乳脂肪分の高いお乳をびんに入れて振ってバター作り、なんて牧場体験がある。これは生クリームをペットボトルに入れて何十分か振ることで家庭でも再現できるようだ。

 ところがペットボトルを振り続けるのはかなりの疲労が予想される。何とかその疲労を軽減できないかと思い、ジェットコースターに乗ることを思いついた。

 ジェットコースターの振動で生クリームがかくはんされ、降りたときにはバターが出来上がっている。素晴らしいアイデアだと思い実行に移した。

(text by 大北 栄人 produced by ざんはわ



材料の準備

理屈がよくわからないのだが生クリームをよく冷やしてかくはんすると乳脂肪分が固まり、バターができあがるらしい。

氷、生クリーム、ペットボトル、と要はこれだけで作れるということで入手は容易であった。


生クリームをよく冷やしておいて
ペットボトルに入れてシェイク、でバターができるらしい

 

コースター選び

今回取材に同行してくれたのは同じ火曜担当ライターの石川大樹(27)さんだ。彼は極度のコースター嫌いだというので比較的やさしいコースターを選ぶ必要があった。

たしかに大きなコースを走るコースターを想像しても振動はあまりないような気がする。小さくカクカク動くコースターがよい。長時間乗ることを考慮しても都合が良いような気がした。


平日の昼間、雨が降り気温も低い。客は私達だけだった。

 

1回目

準備は簡単に済んだので何はともあれ乗ってみることにした。さあバター作りだ。都会の酪農体験である。降りたときにはクラッカーに出来たての芳醇なバターを載せて、ワインとともに小粋な午後を過ごしたいものだ。


ペットボトルを持って先頭へ
この人はコースターがちょう苦手である

そしてバター作りに

 

残念な結果に

久しぶりに乗ったジェットコースターは正直なところ大変愉快だった。回転や高低差はないものの、スケールの小ささからかスピード感はかなりのものだった。

降りたときには石川さんの足の震えが止まらなかった。対して肝心のバターはというと残念なことに何の変化も見られなかった。足の震えを見たあとなので、寂しい気持ちになった。


生クリームに変化はなし
一方、石川さんには足が震えるという変化があった

 

そもそもちゃんと振れているのか?

バターはできていなかったが、そもそもちゃんと振れているのだろうか?もう一度乗って動画を撮り、確認してみることにした。


再チャレンジ(倍速再生)

 

振れているようだ

またもバターはできていなかった。しかし動画を見るとある程度かくはんはできているようだ。コースターが疾走するのは時間にすると30秒程度だろうか。問題はこの時間の短さであるように思う。

これは何度も乗る必要がありそうだ。(石川さんの足にはもう少し我慢していただくことにして)


誰もいないので毎回先頭に座ることになる

5回乗って長期戦を覚悟した

5回ほど乗ったがバターに変化はなし。今日は長くなりそうだ。しかし人間には顕著に変化がみられた。乗り物酔いに近い感覚がやってきたのだ。胃がなんだかむかついて体がだるくなってきた。楽しかっただけに残念である。

二人で乗るのは非効率的だ、と思い一人で乗って一人が休むことにした。バターへの憧れは高まるものの、コースターへの愛は次第に薄れていく。


バターになる気配は未だなし
バター作りとは孤独な作業であることを知る

 

10回乗った

生クリームに大きな変化はない。中を確認してみると気泡が立っているのでちゃんと混ぜられてはいるようなのだが…。

対して人にはまた変化があった。乗り物酔いが10回目辺りで下降線をたどるようになったのだ。体の適応能力というのはすごいものだな、と妙に感心した。月面でバター作りをする日も近いことだろう。


気泡ができているような

5〜7回目あたりには倦怠感と胃のむかつきがピークに
しかし10回を過ぎると体が慣れてくる

 

15回乗った

生クリームにかたまる気配はなし。

人の変化はまたあった。酔いの気配が完全になくなったのだ。ただ残念なことにジェットコースターの痛快さもかなり薄れてきた。(その分恐怖心もなくなったが。)「ちょっと隣の部屋に行ってくるよ、くらいの感覚」という石川さんの言葉がその気持ちをよくあらわしていると思う。

つまりなんだか作業感覚になってきたのだ。こういうバター工場、そんな感じだ。停滞ムードを払しょくするため、乗るたびにひとつはコースターのいいところを見つけることにした。

そういうのをひっくるめて工場作業的、とも言えるが労働者のささやかな抵抗である。


髪の毛がしっとりと濡れ始めると
寒さで体力がなくなっていく

 

 
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