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ロマンの木曜日
 
ダムの意識調査〜標準的ダムとは〜
今回はダムと斜めから向き合います


たまにテレビのニュースなどでダムが登場すると、たいていの場合は悪役だと思います。

曰く「自然破壊だ」、「税金の無駄遣い」、「水道水がまずくなる」、「洪水が増える」などなど。

それが事実かどうかはともかく、そういった報道などを見たふつうの皆さんが頭の中に思い浮かべるのはどんなダムなのか、ということが気になりました。

そこで、役に立たないとは分かりつつも、地道な調査を開始しました。

萩原雅紀



標準的なダムとは

僕はダムが好きで、皆さんにもダムのことを知ってもらおうといろいろ活動しているのですが、報道などを見る限りまだまだ一般に浸透しているとは言えません。

確かに環境や財政にストレスをかけて造られるものだと思うけど、ちゃんと世の中の役にも立っているのに、一方的に悪者に仕立てられていることが多い気がします。

では、そういった報道を見た人が「うむ、確かにダムはけしからん」と思ったときに思い浮かべるダムとはどんなダムなのか。

また、そこまで考えないにしても、ふつうの日本人が思い浮かべるダムとはどんなカタチなのか。重力式なのかアーチ式なのか。


重力式ダムの例 アーチ式ダムの例

それを調べるために、ここしばらくのあいだ、人に会うたびに「あなたが思い浮かべる『ダム』」の絵を描いてもらっていました。

1ヶ月ほど続けて、集まったのは約50人が描いたダムの絵。


標準的ダムのサンプルたち

さらに、デイリーポータルZライター陣にも協力をお願いして、絵を描いてもらいました。このサイトは僕に限らずダムがよく記事に出てくるので、きっと一般よりも認知度は高いでしょう。

では、ふつうの人がどんなダムを思い浮かべているのか、サンプルを見ながら検証していくことにしましょう。



どこかで見たことのあるダム

まずは仕事でよくお世話になる30代の男性に描いてもらいました。


これは簡単だ

これは少しでもダムに興味がある人なら見たことのある景色ではないでしょうか。たぶんあの有名なとこですよね!?


日本一有名なダム 並べるとアングルが完璧

そうです、恐らく日本一有名なダムといえる黒部ダムでしょう。

実際にこの企画を思いついて最初に描いてもらった絵がこれなので、すごく嬉しくなりました。

黒部ダムに行くと、最初に見える景色がこの展望台からの眺めなので印象に残るのでしょう。またポスターにもよく使われるので見たことのある人も多いと思います。

みんながみんな黒部を思い浮かべていたら、「ダム一強他弱」が浮き彫りになって、それはそれで興味深い結果です。

ただし、放流している部分は四角い穴が何となく開いているだけで、どうやって水を流したり止めたりするのかという、具体的な放流設備は描かれていませんでした。


放流している穴はあいまいな表現

続いても仕事先で顔を合わせる、20代のかわいい女性の描いたダムの絵。ちなみに本物のダムを見たことはないそうです。


一部分のアップを描いた

コンクリートが角になっている部分と放流しているところのアップ。なんだかフェティシズムを感じる絵です。

でもちょっと待ってください、角と放流って、これもひょっとして黒部ダムじゃないですか!?


このあたりをアップにしてみる こ、これは!

これ閃いた瞬間に小躍りしました

これもアングルは完璧。放流している穴が少しずれているけど、こんなのは印象と実際の誤差の範囲内。9割9分黒部ダムと言って過言ではないでしょう。でも本物のダムを見たことがないというのに、なぜこんなに細かい部分が描けたのかは謎です。

まったくタイプの異なる2人が同じダムを描くとは、やはり「ダム=黒部」という概念の強さを物語っていると言えるかも知れません。

次は、先月よく一緒に仕事をしていた30代の男性の絵。


これは議論を呼びそうだ

これは割とオーソドックスな重力式コンクリートダムのシルエットだけに、いろいろな議論を呼びそうです。佐久間ダムのような気もするし、秋葉ダムのようにも見えます。


佐久間ダム(静岡県/愛知県) 秋葉ダム(静岡県)

しかし、佐久間ダムは正面から見ることが難しく、秋葉ダムでは幅と高さのバランスがイマイチ。そんな中、決定的な証拠を見つけ、僕はこのダムが「四国の水がめ」、早明浦ダムであろうとほぼ断定します!


正面から見ることができ、高さ、幅のバランスがピッタリ、そして決め手はゲートの数が一緒!

どうですか、まるで右の写真を模写したかのような一致具合。この方が四国出身なのかは聞くのを忘れてしまったのですが、ここがモデルだと言って間違いはないでしょう。

でも絵をよく見ると、やっぱり水が出ている部分はあいまいな表現で、一見正しく描かれているように見える放流設備の仕組みがちゃんと理解されているかは怪しそう。


ゲート(水門)の間から水が出ている?

下の絵は職場で隣の課の課長がさらりと描いたものですが、あまりに道のりが厳しくてマニア界でも難攻不落と言われている高知県の大森川ダムにそっくりで驚愕しました。あんた、何者だ!?


まさにこの写真の通りじゃないか

ここまで載せたのはモデルがある程度分かる、つまりダムのシルエットをかなり正確に捉えている人たち。

しかし、そんな人は全体のほんの一握りなのでした。


 

 
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