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ちしきの金曜日
 
広島から来たプロレスラー
看板の灯がつき始めた頃、試合開始です


プロレス、見てますか?「金曜8時」が合言葉だった30代以上男性(人によっては『金八先生』『太陽にほえろ』でしょうが)ならともかく、深夜にしかやってない現在ではマイナージャンルなのかもしれない。K1あたりがゴールデンでやってるのに比べると。マイナーとは言っても、それは「今メジャーではない」と言い換えてもいいし、決して「分かりにくい」という意味ではない。と、金曜8時という言葉にくすぐられる30男としては力説したい。

ゴールデンウイークのさなか、友人から「今度、プロレスの興業やるんで来てください!」と誘われた。「見に行く」はあるけど「興業やる」と誘われるのは珍しい。しかも「広島の団体で、今回ロープなしでプロレスやるんですよ!」ときた。

地方の団体、しかもロープなし。いわゆる「昭和のプロレス」をイメージする人はピンと来ないかもしれない。ついでにいえば会場はバー。今のプロレス、こうなってるんです。

大坪ケムタ



初の東京ショーは男の街で

渡されたフライヤーに導かれるままにやってきたのは「世界一のゲイタウン」として名高い新宿2丁目。陽はぼちぼちと傾き、替わりにバーやスナックの灯がほのかにつきだす頃、会場のバーの前につくともう人がわらわらと。場所の特性上、やや緊張しながら歩いてきただけにちょっと安心して会場の前をのぞいてみる。


開場前から人がわらわら

「ダブプロレス」という団体です。

今回誘われた「ダブプロレス」は広島を拠点に活動するプロレス団体。設立から8年、地元では自主興業も定期的に行うだけでなく、クラブイベントの合間に試合をするなど認知度を高めている。そうしたイベント参加も含めれば年間20〜30戦開催、しかもリングと道場も自前で持っているなど、その姿勢は極めて本格的。ちなみに団体名の「ダブ」は広島の県庁である平和の象徴・ハトのこと‥って真逆な感じもしますが。今回はその東京進出第一弾のショー。

今回は会場の関係もあって、リングを使わない通称「バックヤードスタイル」。ノーリング、ノーロープ、ノーコーナーの四角いジャングルは?というとこんな風景。


わずか数枚の厚みのマットが生々しい。

いわゆる試合用のリングに比べると、練習用といった雰囲気のマット。壁ギリギリなだけに四方1列か2列が精一杯。ここでどんな試合が行われるのか?そう思ってるうちにお客さんが続々と入ってきた。

このダブプロレスの独特な方向性のひとつが「音楽との融合」。試合前はもちろん、試合中もDJが曲を流し続ける。さらに酒を飲みながらの観戦も歓迎、むしろ飲め!くらいなところ。バーでの開催は条件として完璧なのです。ビール片手に試合開始を待つ。


DJブースからは常にビートが

この日行われるのは3試合。マットは会場ギリの広さに敷かれてるだけに、試合は客のまさしく目の前で行われる。第一試合の矢野啓太選手vs小仲=ペールワン選手の試合は組み合ってのオーソドックスな展開。

しっかり組み合っての第一試合らしい第一試合、しかしマットとこの距離感だけに躍動の一挙手一挙動が伝わってきてテレビで見るのとは全然違う。といって街のケンカを囲んで見てるのとも違う。そもそもペールワン選手白いし。


手前が矢野選手、白がペールワン選手。
目の前で関節極めたり投げたり!

矢野選手の知恵の輪のような関節技、ペールワン選手のヨガ殺法と手足絡み合って関節技は、目を見張りつつも痛みにゆがむ表情は生々しい。その距離までヘタしたら1mもないんだもん。この周辺のある筋の人なら大喜びだろうな、なんてうっすら思いつつカメラを向ける。


いてててて。
あいたたた。矢野選手ばかりすいません。

でも最後は勝って拍手喝采!<矢野選手

あらためてロープに飛ぶ、という動きがいかにプロレス的なのかがよくわかる。それが無いだけで寝技の格闘技のような、舞踏のような。またそれとも違うもののような‥やっぱりプロレスしかないのだけど、例えるなら。

続く第二試合は3人の選手が同時に闘う3wayバトルロイヤル、魁選手vsカブキ・キッド選手vs佐藤悠己選手。こちらは第一試合とはうってかわってコミカルな部分を見せつつもドギツイ一撃も。椅子や脚立といった道具を使った攻撃が似合うのはやはり地下っぽい雰囲気だから、だろうか。


3人対決、まず誰を倒す?

まずは乾杯だ!
と見せかけて場外乱闘

脚立と椅子を使ってのダイブ!

それにしても最初「こんなマットで大丈夫か?」と思ったけれど、意外なほどスムーズに試合を見せてくれる。後で主宰の504選手に話を聞いた時に「どこでも受け身とれるってのが団体のコンセプトなんで」と豪語していたけども、その言葉はデカ口じゃない。

ちゃんとしたホールで座って見るより、立ってビール片手に見る方がテンション上がる。DJの音楽もその一助になってるに違いない。低音って人の興奮度を高めるらしいからね。視覚と聴覚にクるショー。

広島から来たダブプロレス、ぜんぜん東京と遜色なし!むしろこういう規模の箱に慣れてるだけあって見せ場もしっかり作って見せる。今、全国各地にこんなプロレス団体が増えてるのだろうか?


 

 
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