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ひらめきの月曜日
 
そら豆を愛するNPO法人があった


こんな団体があったとは。

どういう経緯か忘れたが、たぶん私がグチでもこぼしたのだろう。「そら豆って高いよねぇ」と。「一袋500円くらいするんだもん。いくら好きでも、そう気軽には買えないよ」と。

場所は新橋の居酒屋。相手は飲み友達のタカハシさん。すると彼女が妙なことを言い出した。

「そういえば、職場(彼女は某生協で地域活動を応援する仕事をしている)で知ったんだけど、そら豆のNPOが千葉にあって、そこで収穫体験が出来るらしいですよ。今度一緒に行きませんか?」

NPO? そら豆? …酔った頭には何のことやらさっぱり意味が分からなかったが、非常に魅力的なことは間違いない。「行く行く!」と答え、後日千葉に出掛けた。

高瀬 克子



そら豆好きの集団

会の方からいただいたメールには「畑仕事の出来る格好で」と書かれていた。うーむ。やはり長靴を履いて行くべきだろうか。

しかし「汚れても構わない格好で…という意味だろう」と解釈し、結局いつも会社に行く時と同じような服と靴で出掛けることにした。

集合場所の大網駅は、東京から電車で1時間ちょっとで行ける場所だ。ここで「NPO日本そら豆の会」の理事である千葉さんという方が迎えに来ることになっている。

実はNPOの意味がよく分からない。非営利団体とか、そういう意味でしたかね?

「うん。利益は分配しないけど、何か目的のために一つのことを一緒にやる団体、みたいなことでしょうかね」とタカハシさん。


集合場所の大網駅。

この日はとても天気が良く、駅前のベンチに座っているだけでも気持ちがいい。「あ、帽子忘れた」と思ったがもう遅い。日焼けは覚悟しておこう。

約束の時間になると、千葉さんが車で迎えに来てくれた。私たち以外の参加者もこうして千葉さんが車で送り迎えをしているらしく、とても忙しそうである。しかし、それをちっとも苦にしている様子がない。

畑に向かう車の中で「そら豆が」だの「そら豆って」と話す千葉さんは、そら豆の話をしているだけで楽しそうで、本当に好きなんだなぁ、と思わされた。

 

知らないことだらけ

走ること約15分で畑に到着。目の前には「そら豆の会」が借りている一反のそら豆畑(約30メートル四方)がドーンと広がっていた。


おお、これがそら豆畑か。広い!

どうやら私たちで最後だったようで、着くなり「では、さっそく収穫を始めましょう!」ということになった。

わ、いきなり収穫だ。


会の代表である杉本さんが、説明をしてくれます。両端の 畝は農薬を少しだけ使ってますが、それ以外は無農薬。
参加者は十数人。そら豆の会会員以外の方もたくさん。

「こっち側の列は山武陵西(千葉県のそら豆)という品種で、あっち側があまえくぼ(宮城県のそら豆)です。あまえくぼは、関東圏で栽培してるのはたぶんここだけだと思います」と杉本さん。

なんと、そら豆にもこんなふうに種類があったのか!

分からないことだらけの私たちのために「どういう状態のものを収穫したらいいか」を教えてくれた。


「こうして下向きになってたら、もう採り頃です」
「実がパンパンに詰まっててツヤのあるのがいいですね」

さらに杉本さんが続ける。「無農薬ですから、生のままでも食べられます。収穫しながら食べてみてください。これがおいしいんですよ」

なんと、それはおいしそうだ。まさか、生のそら豆を食べられるとは! 心臓が早鐘を打つとはこのことか、ってくらいにドキドキするのが自分でも分かった。食べたい! 早く食べたい!

カゴをとハサミを手に、さっそく畑の中へと入った。

 

狩り欲&食欲

そら豆の名前の由来が「サヤが空に向かって生えるから」というのは知っていたが、実際に実がなっているところを見たことがなかったのだが…。

おお、本当に空に向かって伸びてますよ!


素晴らしく元気のいい角度。
それがもう、わっさわっさと。
この辺が採り頃だろうか…
目星を付けたらハサミで切ります。

「これぐらい大きかったらもう採っても大丈夫だよね」と躊躇していたのは最初のうちだけだった。

一度エンジンがかかると、夢中になって次から次へと手が出て止まらなくなる。これも、あ、こっちも。おお、これはデカイぞ。これはツヤがあるな。

タカハシさんも無言でガサガサと収穫していた。


あ、そうだ。このまま食べられるんだった。
さっそく食べましょう。剥きましょう。
サヤの中のフカフカが瑞々しいったらありゃしない。そして、豆の美しいことといったら!
皮をむいたら、あとは口へ入れるだけ。

「え?」という味だった。衝撃と言ってもいい。何やらうっすら甘いのだ。水分をタップリ含んだ豆は非常に柔らかく、青臭さなど微塵も感じられない。

どう考えてもウマすぎる。なんだろう、この味。強いて言うなら…栗。うん。採れたての生のそら豆は、栗の味に似ていた。

採れたての野菜がおいしいことは承知していたつもりだったが、それにしても、である。


歯触りもシャキシャキですよ!

おいしいことに満足して、さらに採集欲が高まった。よーし、たくさん採るぞ!

意欲は湧いたが、いかんせん頭の天辺が猛烈に熱い。帽子を忘れているので、仕方なく手ぬぐいを被って作業を続けることにした。


農家の嫁っぽくなるかと思いきや、
どう見ても野菜泥棒。

見た目はともかく、これでだいぶ凌ぎやすくなった。収穫を続行しよう。


 

 
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