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ロマンの木曜日
 
僕はどれくらいおしゃべりなんだろう

スープ割り

つけ麺をたのんだ理由というのは、麺を食べ終わった後につけ汁をスープで割ってもらうという、つけ麺独特のスープ割りの儀式があるからだ。
これによりお店の人に、
「すいません、スープ割りください」
と話しかける権利が僕に与えられるのだ。

しかし、それはそれで問題も発生する。
スープ割りというのは、「スープ・割り」なのかそれとも「スープ割り」でひとつの言葉なのかという問題だ。
お店の人に聞いてみようかと思ったが、カウンターを持ってカチカチやっている僕はただでさえあやしい人物なので、ひとつの言葉だというルールを自分で作って解決させた。
なぜ一語か。
スープ割りはつけ麺が誇る立派な文化だからだ。
それに、さっきの打合せで語数がよくわかんなくなったし。

これまでの言葉:710くらい



一語くらいささいなことだ


会社に到着

ごちそうさまでしたと言って店を出て、会社に戻った。
ビルの入り口を入ってから自分の部署に行くまでには誰にも会わなかった。
編集部のある部屋に入って、机につく前に「お疲れさまです」と言った。
そしてパソコンの電源を入れた。
パソコンには何も話しかけなかった。
当たり前のことだが、パソコンには話をする必要はない。
けれども気持ちの上では、街ですれ違う見知らぬ人に対してよりは「言葉を発する」ことへの垣根が低いように感じた。
語数を数えていなかったら気づくことのない感覚だと思う。


会社にはまだ知り合いが少ない


会社ではあまり話をしなかった

社内では意外にしゃべらなかった。
いや、しゃべらずに済まそうと思えばしゃべらずに済むのだ。
語数を数えながら話すというのは、実際に試してみるとかなりの負担で、ついつい言葉を少なくしようとしてしまう。
社内ではそれでも、なんとかなってしまう。
それはやはり、気持ちが通じているからだろう。
これはカッコつけた意味ではなく、同じ職場である程度仕事の目的を共有しているし、共通のルールの上で働いているので言葉にしなくても意思が伝わるからなのだろう。
もちろん編集部内の人たちには、自分の会話を数えていることは伝えてあるので、そのせいもあるが。


あまりしゃべらずに済んだ


話し方がおかしい

それでも必要な会話はもちろんあるので、カチカチ数えながら話をしているのだが、その会話がかなり不自然に聞こえるらしい。
「どうしても・言葉が・とぎれて・しまう・のです」
こういう風に話しているというのだ。
それから、言葉を数える基準がいい加減だという指摘も受けた。
「お願いします」を「お願い・します」と区切って2回カチカチとしているときと「お願いします」で、カチッと1回しかカウントしないときがあるそうだ。
その点に関しては、午前中の打合せの時点でうすうす気づいてはいた。
しかし、そんなこといわれてもよくわかんなくなっちゃうんだから仕方がない。

これまでの言葉:890くらい


とはいえ2時間で200語ちかくは話した

もう一度打合せ

この日は夕方にも打合せが入っているので、2時間ほど社内にいて、また外出した。
そこから打合せの時間まではまたしても無言の時間だ。
無言はとても楽である。
数えなくていいというのは本当に楽だ。
社外に出るとすがすがしい気分になる程だ。
でも、それではいけない。
最初の企画意図と変わってきてしまっている。
どれくらいしゃべっているかを数えるのが目的だ。
なので、次の打合せは内容を録音して、あとから数えることにした。


ただいま打合せ中

1200語のマシンガントーク

夕方の打合せでは1時間で1200語近くもしゃべっていた。
これはちゃんと録音を聞きながら数えたので、だいたい合っていると思う。
僕はすごいおしゃべりだ。
数える前は、たぶん500語とかそんなもんだろうと予想していたが、なんのなんの。
でも、計算をしてみたら、1時間に1200語だから1分当たり20語なので、そんなにすごくもないんだろうか。
そもそもの基準がよくわからないので、比較のしようがない。
いまさらながら、なんだろうこの企画は。

これまでの言葉:2090くらい


あとで数えた
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