●より快適なパンツライフ目指して
さて、食い込みを直したブリーフを履いてやってきた駅。ちょうどいい具合にパンツが食い込みそうな階段がある。
エスカレーターやエレベーターを使うことで、パンツの食い込みを避ける方法もある。ただ、それらの混雑を避けて階段を利用してこそ、パンツは食い込んでくるのだ。
では実際にやってみよう。
さすがはブリーフ、一歩一歩足を踏み出すごとに、グッ、グッと食い込んでくるのがわかる。さあ、もうすぐホームだ。そこについた瞬間の食い込み具合に気持ちを集中させる。
うん、なかなかいい感じの食い込み具合だ。もちろん先ほどわざと食い込ませたものには及ばないが、自然に食い込んだものとしては期待に違わない度合いと言っていいだろう。
いや、つい食い込むことを肯定するかのように書いてしまったが、そうではない。パンツが食い込むことは、一般的に不快感につながるものだ。
だからこそ、人は子供の頃に履いていたブリーフを卒業していくのかもしれない。懐かしさを覚える食い込み度だった。
続いて履いてみたのは、ボクサートランクスというタイプのものだ。
ニット地でできたトランクスタイプのパンツ。「別にボクサーってわけではないけど…」と思いながらも、ストレッチ性のある生地が心地よく、個人的に一番よく履くのはこのタイプだ。
日常生活の中でときどき感じていたパンツの食い込み感。ということは、このパンツがその正体なのだろうか。
人気のない時間帯、誰もいないタイミングを見計らって階段を駆ける。さあ、ホームについたときの感覚はどうだろうか。
……普通だ。階段を上がる前とほとんど変化を感じない。
やはりよく伸びる生地は体の動きに大きな影響を受けることなく心地よい。普段頻繁に履いているこのタイプのパンツだが、ここに原因はないようだ。
続いてのエントリーは、ストレッチボクサーブリーフというタイプのものだ。
一枚だけ持っているこのタイプ。ストレッチ性はあるものの、先ほどのものがあくまでトランクスを名乗っていたのに対して、こちらはブリーフ。
確かに履いてみると、トランクスよりもアグレッシブなフィット性を感じる。さあ、どうだろうか。
おお、やはり先ほどのボクサートランクスより強く迫ってくるものがある。
ただ、それは食い込んだというよりは、フィット感が高まったという表現にとどまるもののようにも思える。これは、日常生活のいつだったかに感じた食い込み具合とは異なるもののような気がする。
違う、あのとき感じた食い込みの正体はこれじゃない。
はずむ息をベンチに座って整える。体力の回復を待って、さらなる検証を進めてみよう。