八百屋にきけ
八百屋では店の奥さんと思われるおばちゃんと、ご近所と思われるおばあちゃんが雑談していた。(おばちゃんのセリフは地元の言葉に変換してお読みください)
石川:あのー、はんだ外科っていう病院を探してるんですけど…
おばちゃん:はんだ外科?はんだ外科はずいぶん前になくなったよ
石川:(へへ、知ってるよ)きたやまクリニックなんですよね?
おばちゃん:きたやまクリニック?違うよ、はんださんはもっとあっち。
石川:(えっ!)あっち?
おばちゃん:ほら、案内してあげるからこっち来てごらん。
なんと、きたやまクリニックもはんだ外科ではなかった。おばちゃんの話によると、こうだ。
- はんだ外科は何年か前に閉院した
- 院長が亡くなったため
- 今は建物は取り壊して、家が建っている
- あそこの車が止まってる角を曲がってすぐだよ
閉院してしまったのは確かなようだが、ちょっと場所がずれていたみたいだ。
石川:閉院したのは何年くらい前ですか?
おばちゃん:何年ぐらいになるかねえ。(近所のおばあさんに)わかる?
おばあちゃん:8年くらいじゃないかね?
おばちゃん:ほんとに?あんたのとこのお父さんなくなったあと?
おばあちゃん:なくなったあとやったかなあ…?
おばちゃん:あんたんとこのお父さんいつなくなったの?
(別のおばあちゃん登場)
おばあちゃんB:なにやってるの?
おばちゃん:はんださんが閉院したのいつやったかわかる?
おばあちゃんB:10くらい前やなかったかなあ
おばちゃん:10年?ほんとに?○○さんとこのお父さんなくなったのいつ?
おばあちゃんA:いつやったかなあ。
おばちゃん:お父さんってあんたのだんなさんだよ。父親じゃなくて。
おばあちゃんB:はんださん10年くらい前やなかったかなあ。
おばちゃん:10年?○○さんとこのお父さんは…
長くなったのでフォントを小さくしました。このままいくと延々続きそうだったので、「じゃあだいたい10年くらい前ですね!」で閉院年問題を無理やり片付け、話を打ち切った。そのあと、なぜはんだ外科を探しているのかの説明や、ちょっと見てきてのコーナーの話をすると、「あらー大変ねえ」「偉いねえ」「でも何事も経験だからね」の輪唱を受けた。
そして別れ際。
石川:じゃ、ありがとうございました。
おばちゃん:これから、またどこか見に行くの?
石川:ええ、ちょっと見てきます。
「ちょっと見てきます」だって。
無意識のうちにちょっと見てきてをタイトル・コールしていた。笑っていいともの「明日、来てくれるかな?」「いいとも!」を思い出し、急に妙な恥ずかしさに襲われながら、おばちゃんの店をあとにした。「どこか、見に行くのかな?」「ちょっと見てきます!」 |