ダメな感じも企画に結びつける
大塚:こうして見ていくと、だんだんこの「お湯のすばらしさを見直す(林 雄司)」が突き抜けて見えてきました。お湯、ねえ。
古賀:最初の写真からしてすごい。「ダメさ」がそのまま企画になってます。かっこいいです。
大塚:かたや脂で肉を煮、かたや水筒のお湯で肉をしゃぶしゃぶして。ハイカロリーかゼロカロリーか。脂とお湯って、生きるか死ぬかくらい違いますよね。
古賀:肉を扱うのでも書き手によってここまで違うか、という。それもデイリーならではです、と胸をはりましょう。
大塚:でも、微妙に世相を表してる気もしますよ。世の中も、ハイカロリーなドーナツ食べながら、ゼロカロリー飲料飲んだりしてますから。
…そういえば、高瀬さんがレンコンで一通り、穴に詰め終わりましたね。「レンコンの穴には何でも突っ込める(高瀬 克子)」(※高瀬さんは以前にもマカロニ、チクワなどにいろいろと食材を詰めていた)
古賀:これでもうほとんどの穴はおさえましたね! 読んでいて気付いたんですが、高瀬さんはいつも試食の最後にその食材は「ごはん」に合うか「酒」に合うかを判断しますよね。いろいろ詰めたレンコンは「酒」とのジャッジ。
大塚:ああ、それは気が付かなかった…。高瀬さん、普通の女性の感覚ではないですね、シブい…。
古賀:そういえば、チクワに関しては小柳さんがついにストローにしていました「ちくわ等はストロー代わりになるか(小柳健次郎)」。デイリーポータル的には、満を持して、です。
大塚:土手に自転車とめてハム丸めて牛乳吸って……。
古賀:何事ですかね。
大塚:若さ…?
古賀:え、これが若さ?!
大塚:もうひとりの若手ライター、藤原くんは何か食べ物記事書いてましたっけ。
古賀:ええと「ヤング率とウインナー(藤原 浩一)」(あ、これもウィンナー記事だ)と「モーション弁当」がありました。お弁当のほうはちゃんとインタビューしたり、お弁当箱の上で画がぱかぱかかわっていって面白かったですよね。で、ヤング率の方は、ウィンナーのたわみ具合を比べる記事です。
大塚:……。
古賀:あ、この記事、まとめの枠だけ読むと何も言ってなさが際立ってすごい!「ヤングを通じてすべての人間がつながりあっていることを感じられれば、と僕は願う。」って。
大塚:願うのかー。
どうなる、来年の食べ物
古賀:最後に、勝手に来年でも予想してみましょっか。
大塚:私は、本当においしいカロリーゼロ食品が出るのではないかと思ってますよ。
古賀:いよいよカロリーゼロのカップゼリーが出たり、ゼロは拍車かかって味もぐいぐい美味しくなってますよね。
大塚:カロリーゼロが美味しいって、倒錯ですよねえ…。
古賀:ハイカロリー系はどうなりますかね。
大塚:うーん、結局、みんなが食べたいものってカロリーの高いしかも変な食べ物ですよね。クリスピークリームドーナツもそうだし、生キャラメル「生キャラメルを食べ比べてみよう(大塚幸代) 」もそうだし。
古賀:そういや、シナボンってなくなりましたよね(※アメリカ発、大きいシナモンロールの専門店。お台場に1店舗残ってました)。ハイカロリーすぎてもだめなのかなって思ってたんですが、この状況も変わるのかな。シナボンが復活したらいよいよ日本もメーター振り切ったなって思うことにします。
大塚:古賀さん、シナボン好きなんですね…。でも、メガの流れも一応は終わりましたよね。
古賀:今出てる「クォーターパウンダー」っていうのは違うんですか?
大塚:あれは、どちらかというと質にシフトしてるみたいですよ。
古賀:ホテルとかの高級ハンバーガーみたいな路線?
大塚:その路線をマックがやってるというか。ファーストキッチンもやってますよね。そういう、100円プラスの高級感、半端な高級感……が来つつあるのかな?
古賀:デイリーポータルはどうしましょうか。
大塚:海外……、ですかね。フランクフルトとかハンブルグとか、食べ物の地名の場所行ってそのものを食べるという、前々から口だけで言ってた企画をいよいよ実行!
古賀:おお、ヨックモックとか!
大塚:ねえ。行けたらいいのに。半端な国内旅行より安いし(笑)。
古賀:においって届けられるようになるのかなあ。
大塚:におい、ビジネスに必要ないからPCとは縁なさげですよね。
古賀:じゃあ、立体だ。
大塚:めがねかけて、3Dで。
古賀:それなんかむしろ昭和じゃないですか。
|