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はっけんの水曜日
 
トリュフって本当にうまいのだろうか

トリュフ料理、ふたたび

今回のトリュフ料理はレシピに沿ってなるべくそのまま作っただけなのだが、レシピってすごいですね。書いてある通りに作ると、いままで作ったことのない料理がそれっぽく作れてしまう。泳げるようになるまで丸一年かかった水泳とは大違いだ。バターと生クリームの量にびっくりしたけど。


スクランブルエッグ。私が今までスクランブルエッグだとおもっていたのは、どちらかというと炒り卵だったらしい。写真だとかぼちゃサラダみたいだね。 キノコのリゾット。ポルチーニのかわりにトリュフを使用。リゾットを作って初めてアルデンテに仕上がった。

クリームパスタ。これも本来はポルチーニを使う料理。バターと生クリームの塊。 料理の写真は格好付けているが、実際はこんな感じで食べている。蜂の子はまだ食べていない。

自分で言うのもなんですが、どの料理もすばらしくおいしかった。そしてこれらすべての料理に共通することは、トリュフが入っていなくても料理として成り立つであろうということ。

かといってトリュフが不要なのかというと、決してそういう訳ではない。そのままでも美味しい料理にトリュフの香り、風味が加わることで、その味がさらにうまくなっているのだ。美味しい料理をさらにおいしくするのはけっこう難しいのに。

トリュフの味自体はやっぱりしけったアーモンドみたいなのだが、バターや生クリームと合わさったトリュフの香りは土っぽさがきれいに抜けて、私の鼻のボキャブラリーにはない「西洋人が考える高級な香り」になっている。

よくわからないけれどこれは高級なんだという説得力があるその香りから、トリュフが媚薬と信じられていた歴史、そして現在もヨーロッパで珍重される理由が分かった気がした。新小岩の畳の部屋で。

なんだ、やるじゃないかトリュフ。これでフランス人に「トリュフってうまいよね」っていわれても困らなくてすみそうだ。

 

ついでにフレンチトーストの蜂蜜漬けトリュフがけ

後日、トリュフを使ったデザートを知人に教わったので、あまったトリュフで試してみた。薄切りにしたトリュフを蜂蜜につけて二日ほど置き、それをフレンチトーストにたっぷりかけるという料理だ。


トリュフは水分が抜けて鈴虫の羽みたいになった。その分エキスが蜂蜜に移動している。

実はこれがどのトリュフ料理よりもうまかった。もともとフレンチトーストが好きというのもあるのだが、トリュフの香りが加わった蜂蜜のうまいこと。蜂蜜の味に奥行きがぐっとでて、安易な表現だが、まさしく「大人の味」になっている。

ただ、これは私が延々トリュフを食べ続けて、「トリュフ=うまい」という認識が生まれたあとに食べたからそう感じるのかもしれない。食べなれないものを美味しく感じるにはやっぱり慣れが必要なのだと思う。

にしてもこれはうまかった。


トリュフの蜂蜜漬け、お勧めです。

トリュフを採りに行きたい

今回食べたのはお小遣いで買える安い中国産のトリュフだったが、それでも「トリュフはいい香り」という認識を自分に植え付けることができた。レストランで高いお金を出して頼もうとまではさすがに思わないけれど、八百屋に千円くらいで売っていたら、年に一回くらい買うと思う。

しかしはるばる中国から輸入されたものでこの香りだ。さぞやとれたてのトリュフはいい香りなのだろう。中国のトリュフと同じものなら日本でも生えているらしいので、今度、犬か豚を連れて、トリュフ探しの旅に出てみようと思う。

卵かけごはんにすりおろしトリュフを乗っけても、けっこううまいです。

どなたかトリュフが生えている場所をご存じの方がいましたら、そっと教えていただけると幸いです。


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