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はっけんの水曜日
 
トリュフって本当にうまいのだろうか

というのが昨シーズンの話

ここまでが実は昨冬の話で、ここからがこの冬の話。

ようやく八百屋さんから待望の電話がきたのだ。


ちょっといいトリュフ、入荷しました。 松茸? ちがう、トリュフ。

マツタケの箱に入れられた中国産トリュフは1050円。微妙な値段である。ちょっといいやつだけあって去年に比べて倍の値段だが、マツタケよりはだいぶ安い。きっと中国人はトリュフを食べないのだと思う。

 

トリュフ料理が書かれた本を買ってみた

今回のトリュフ料理は前回のように我流ではなく、ちゃんとしたレシピを見ながらつくることにした。試行錯誤も楽しいが、やっぱり基本を押さえることも大切だ。

まずはネットで検索してみたのだが、トリュフのレシピを検索すると、「バレンタイン用手作りトリュフチョコはこれにキマリ!」みたいなのばかりが引っかかってイライラする。これではだめだとアマゾン(南米じゃないほう)で「南仏のトリュフをめぐる大冒険」というトリュフの食べ歩きガイドと思われる本を注文してみた。

でも届いたら小説だった。


オンラインショッピングって難しいですね。

受験用に歴史の問題集を注文したと思ったら、司馬遼太郎が届いた気分。

一応読んでみたら、主人公の男性がマフィアとトリュフの栽培方法が入ったカバンを奪い合うという冒険活劇だった。とりあえずヨーロッパでトリュフがどれだけ珍重されているかがわかったのでよしとする。

 

本を買いなおす

小説を読むことでトリュフに対する憧れがより強くなったのだが、残念ながら料理をする上ではあまり役立たなかったので、二度手間となったが別の本をまた注文してみた。今度は「キノコとトリュフ」という本だ。

これなら大丈夫だろうと届いた本をペラペラめくると、前半が料理レシピではなくてキノコ図鑑なので焦ったが、後半はちゃんとレシピだった。トリュフ料理も一品だけだが載っている。


図鑑としても、海外のキノコがいろいろ載っていておもしろかった。 あった、トリュフ料理のレシピ!

前回悩んだトリュフの下処理方法もちゃんと載っており、柔らかいブラシで汚れを落とすか、必要であれば流水で洗ってもいいと書かれていた。

本当によかった。昨年からずーっと心に引っ掛かっていた「トリュフ水洗い」という行為がようやく許された気分である。無罪。「勝訴」って書いた半紙を手にしたい。別に誰かに責められていたというわけではないのだが。

今回のトリュフは土がそれほどついていなかったので、水洗いせずとも、柔らかい毛の新品歯ブラシで軽くこするだけで土はとれた。


山切りカットがしつこい汚れを落とす。 去年のトリュフより香りが強い。

さすがは値段が倍するトリュフ。今度のトリュフは前回のものに比べて明らかに香りが強い。しかもその香りは腐葉土臭の中にも菌類の延長線にある香りや熟成されたアルコールのような香りが混ざり、キノコで無理やり作った香水みたいな、とりあえず「なんか高そう」な香りである。この香りに豚が興奮するのもわかる気がする。

 
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