天狗山に到着
住宅街を走りながら天狗山に到着した。 ここから、市内に向けて下りながら、青と赤の消火栓を探してゆく。
坂道を下りながら、運転手さんと一緒に道路わきの赤と青の消火栓に目を凝らす。 最初は消火栓にはなんの興味もなかった運転手さんも、いまではすっかり「消火栓は小樽の名物」といった口ぶりになっている。 きっとこれからは観光客に消火栓のことを話してくれるだろう。
これはかっこいいです
「あ、あれそうでないかい」 と運転手さんがブレーキを踏んだ。 確かに、頭が青で胴体が赤いものが見える。 近づくと紛れもなく消火栓だ。 本体部分は一般的な赤い消火栓の色だが、上の部分ははっきりとした青で塗られている。 いままで消火栓に対して抱いていたイメージとはまったく異なる色使いだ。
全種類制覇
これで5種類すべての消火栓を見たことになる。 スタンプラリー気分で消火栓を探すというのも貴重な経験だ。 運転手さんと喜びを共有しながら市内中心部へと戻った。 途中、雪に半分埋まった黄色と赤の消火栓を見つけたので、雪国ならではの光景だなと思い、写真を撮影しようと車を止めてもらった。
冬の間は、消防士さんが巡回して消火栓の周りの雪をよけているとのことで、ホースをつなぐ部分から上だけが雪の上から顔を出している。 その写真を撮ろうとしていたら、学校帰りの子供たちがやってきて、 「おじさんなにやってるの?」 と僕に聞いた。 子供たちに小樽の消火栓のひみつについて説明したところ、 「ふーん、そうなんだ、すごいね!」 と、積もっている雪を三人がかりで掻き分けてくれた。 「これで全部写るようになった?」
コンプリート小樽の消火栓
では最後に、小樽の消火栓、全5種類をお見せしよう。 地元消防士さんの創意と工夫で、街の安全のために塗り分けられた5色の消火栓たちだ。
街を守る消火栓
消火栓の色が塗り分けられたのは、実際に火災現場で消火に当たる消防士さんたちのアイディアによるものだ。 消防士さんたちの「火災から街を守りたい」という気持ちが、消火栓の色として目に見える形で表れているということだ。 この気持ちが市民に伝われば、防火意識の向上にも役立つのではないだろうかと思った。