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フェティッシュの火曜日
 
地球儀を作る会社で、様々な地球儀を見る

と、そこへやってきたのは、最新作の地球儀「リブラ」を抱えてやってきた、社長の渡辺美和子さん

とても気品にあふれる渡辺さんが手に持っているのはリブラという新作。ぱっと見、普通の地球儀のようだが…

渡辺「これが最新作の地球儀です。リブラというのは、ラテン語で『てんびん座』を表す言葉なんです」
梅田「どういう意味なんですか?」
渡辺「地球儀は、国や首都など、政治・経済を反映した『社会科的要素』と、標高や海流など地形・自然を反映した『理科的要素』を含んでいます」
梅田「確かに小学生の教科で言えば、理科も社会も含んでいますね!」
渡辺「どちらかに的をしぼった地球儀もたくさんあるんですが、これはその両方の要素を含んだ地球儀なんです。だからどちらも大切ってことで『てんびん』を意味する名前を付けました」

梅田「すごい。地球儀の名称にもそういった意味があるんですね!」


国名、首都名・都市名(人口別)と、山脈名、河川名などが見やすく掲載されている。陸は国名によって色分けされているが、よく見ると標高の高いところは濃淡で分かるようになっている。

地球儀の種類なんて今まで意識したことがない。目からウロコだ。こんな様々なコンセプトで仕上げられた地球儀がたくさんあるという。時間が許せば、一個づつ細かい部分まで見ていきたいところだ。

まだまだたくさんの地球儀などが展示されています


これは火星の標高の違いを表した火星儀。このように、渡辺教具さんは地球儀以外にも月球儀など、様々なものを製作している。これは標高を表しており、青が標高が低く、赤茶が高い場所。これを見てると、火星に川があったことが如実に分かります。 これは地球儀の中でも、海洋を詳細に示した。ラ・メール。水深データが詳細に記されており、通常では見られない海底の地形が如実に分かります。これを見ながら、深い海の底に思いを馳せるもよし、七つの海を渡る船長を夢見ても良し。
これはサッカー好きのあなたに送りたい、サッカー情報地球儀。FIFAワールドカップの過去の優勝国や出場国が表されている。サッカーをきっかけに世界に目を向けほしい。そんなお子さんにプレゼントを。 まだまだ紹介したりない展示品が所狭しと並んでいます。一日居ても飽きないと思います。


膨大な地球儀の中から、お気に入りの一体を選ぶ。
そこに見えるのは、その人の人格かもしれない。

さて、地球儀マニアの高井ジロルさんはこんな膨大な種類のある地球儀から、一体だけ、地球儀を買ったと言います。さて、どんなものを選んだのでしょうか?

梅田「どれを買ったんですか?」
高井「これです」


 

梅田「意外にシンプルですね。なんでこれが気にいったんですか?」
高井「たいしたことないんですがね、これには冒険家のマゼランやペリーが世界中を冒険した航路が載っているんです」



梅田「本当だ。ペリーが世界一周する様子が分かる」
高井「まあ、それだけなんですがね。子どもに昔の冒険家が旅した航路を教えようと思いましてね」
梅田「なるほど」

こうして地球儀談義は続く…

とにかく面白かった。渡辺教具製作所さんは、地球儀メーカーの中でも、いわゆる特注品というか、様々なメーカーや学者の要請を請けて製作することが多いらしく、製作した地球儀の種類では、他社を圧倒しているらしい。社長の渡辺さんも、すごく夢のある人で、ぜひとも作ってみたい地球儀はありますか? との質問に「海の海流が実際に動いているような地球儀を作りたい」と答えていただきました。

渡辺教具製作所さんは、地球儀のほかに、昔から天体儀など、宇宙に目を向けた教具を製作してきた。渡辺さんいわく、星座の名前はギリシャ時代よりも前に分かっていたし、宇宙のことはけっこう昔から研究が進んでいたそうで、渡辺教具さんも最初は地球儀よりも、星座早見表などの天体儀が主力だったと語る。

そして渡辺社長はつぶやく。宇宙よりも地球のことのほうは実は分かっていないことが多かったりもします。人間、身近にあるもののほうがよく分からなかったりするんですよ、と。


 
 
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