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はっけんの水曜日
 
アジサイ20万本と、おもしろ看板


やや季節外れの、アジサイを巡る旅。

実家のある鴨川市と大多喜町の間に「麻綿原(まめんばら)」という高原がある。高原って言っても、房総の高原なので標高は300mくらいしかないんだけど。

そこには20万本のアジサイが植わっていて、7月上旬から8月上旬が見頃なのだという。そういえば生まれてこのかた、麻綿原には行ったことがなかった。ちょうど7月に帰省したことだし、ちょっと行ってこようと思って出かけてみた。

松本 圭司



麻綿原は南房総にあります



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近くの清澄山はマス大山が山ごもりをした場所。

僕の実家がある鴨川市の小湊という地区は、激しく田舎だ。どのくらい田舎かというと、実家の裏の家庭菜園が10年でジャングルになってしまうような田舎だ。

緑の凶暴性が都会と違う。代々木公園を10年放って置いても、ここまでのジャングルにはなるまい。


雪崩れの様に押し寄せる凶暴な緑。例によって壁紙のおまけ付き。

しかも、よく見るとただの緑じゃない。だって、奇声とか聞こえてくるんだ。猿がいた。逃げたペットとかじゃなくて、野生の猿だ。


実家のすぐ裏の山に猿。

実は小湊で猿は珍しくない。小学生の頃友達が「家に帰ったら猿がテーブルの上でお菓子食べてた」って言っていた。もちろん野生の猿が上がり込んでお菓子を食べていたのだ。近所の子供か、君らは。

たまに都内に出没して大騒ぎしているが、小湊では猫と同じくらいその辺にいる動物だ。いや、ウソ。さすがにそれほどじゃない。それでもよく見るのは確かだ。


子猿もいます。可愛い。

要は、こういう田舎なのだ。そんな田舎で麻綿原を目指す。徒歩で。トホホ。いやいや。

ルートは、内浦山県民の森からの林道。約5km歩くと麻綿原に到着する。果たして僕は猿に襲われずに麻綿原に辿り着けるのだろうか。


内浦山県民の森から歩いて麻綿原に行きます



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県民の森は安房小湊駅から約5km。駐車場に車を駐めたらしゅっぱーつ!

内浦山県民の森は、バンガローやキャンプ場、広場、バーベキュー場などが揃ったアウトドアな施設。僕が子供の頃からあって、遠足と言えばここだった。

さっきも書いたけど、ここから片道5kmほどを歩くと麻綿原に着く。でも同行のナオミさんには2kmで着くと言っておいた。じゃないと「一人で行け」と言われそうだからだ。


房総の山はヒルが沢山います。

駐車場を出ようとしたら看板が立っていた。山の危険生物に関する注意書きだ。そうそう、この山、マムシとかヒルとか、ウヨウヨいるんだった。危険なのは猿だけじゃなかった。

よし、今日出会う野生動物は全て「敵」と呼称しよう。なんかRPGみたいで楽しそうだ。

いよいよドラクエみたいになってきた。とりあえず、備え付けられていたヒル除けスプレーを靴に散布。塩化ナトリウム水溶液だそうだ。そうか、塩化ナトリウム水溶液か。それは有り難い。まさに聖水だ。

塩聖水だ。塩キャラメルみたいなもんだ。


この日は薄曇り。蒸し暑い一日でした。

いざ、麻綿原へ

暑い中歩き出す。僕の記憶では、ある程度歩くと舗装路が終わって砂利道のような細い道になるはずだ。そこからが勝負だ。房総の山は標高が低いとはいえ、山は山だ。どんな危険が潜んでいるか判らない。

と、道の横でガサガサと音が。


カジュアルにヘビがいる。

大蛇があらわれた、どうする?

たたかう
まもる
→にげる

そんなもん、どうする?って逃げるに決まってる。お互いにそれが一番幸せだ。ヘビを倒しても金目の物を持ってるようには見えない。

猿、ヘビ、と来たら次はドラキーとかスライムベスとか出てきてもおかしくない。さっき聖水を使ったから、おそらくヒルとエンカウントすることはあるまいが。


敵ではなく、いい具合の地層に出会えた


ミルフィーユ的な細い地層の重なり。一枚一枚剥がしたくなるね。

地層があらわれた、どうする?

→愛でる

地層は愛でるに決まっている。だって、美しいからね。柔らかい層は草が生えやすいので、割りと同じ層にだけ生えている。浸食の度合いも層によって違って面白い。

地層の美しさに感心し、思わず壁紙サイズの画像も用意してしまった。


玉虫は綺麗だなぁ。生きてるのは見た事無いけど。

次に出てきたのは玉虫だった

歩を進めて出会った次の敵は玉虫だった。と言っても死んでたんだけど。これまでの敵は倒してもお金にならないような気がするが、これは東京の人なら300円くらいで買うかも知れない。300ゴールドを手に入れた、ってなもんだ。

俗に「玉虫色の回答」なんて言い方をするが、それはこういう色の事だ。緑色だったり赤だったりする、よく判らない色の事だ。なるほど、上手く言ったもんだ。

玉虫の死骸は持ち歩くの嫌なので草の上に置いてきた。鳥が食べるだろう。

 

自然が気持ちいいなぁ


緑のトンネルを進む。房総の山も気持ちいいね。
斜めになった地層、萌えー。

自然の中を歩くのは気持ちがいい。でも、いつまで経っても舗装路で、一向に砂利の細い道にならない。っていうか、僕らが歩いてる横を車が前から後ろからガンガン通っていく。

・・・・いつの間にか麻綿原まで車で行けるようになっていた。

松本「あのさ、車でも行けるみたいだね。」
ナオミさん「えー、じゃあ車で行けばよかったじゃん。」

松本「う、うん、でもまぁ、歩いた方が気持ちいいよ。」
ナオミさん「まぁいいわよ。で、あとどれくらい?」

松本「3.5kmくらいかな。」
ナオミさん「ん?2kmで着くんじゃなかったっけ。」

松本「え。」
ナオミさん「え。」

松本「じゃあ2km。」
ナオミさん「え。」

松本「え。」
ナオミさん「え。」

しばらく会話が無くなりました。


ハイカーへの注意看板。数年前この辺で集団遭難があったからね。

あとちょいで着きます

黙々と歩いて、たまに休憩しつつ歩いて、ようやく標高が上がってきた。麻綿原の標高は340mくらい。下界と比べて約2℃気温が低い。確かに少しだけ涼しく感じた。

途中、数カ所山道に入れるところもあったが、砂利道を歩くつもりだったので登山装備は持ってきていない。仕方なくひたすら舗装路を歩き続けた。

次は素直に車で来ようと思った。


 

すごく適当な看板に、あと1kmと書かれていた。もうちょいだ。着いたら20万本のアジサイが僕らを迎えてくれるのだ。

頑張って歩き続けた僕らは、ようやく麻綿原に着いた。アジサイ、綺麗に咲いてるかな?


20万本のアジサイが目の前に >
 

 
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