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はっけんの水曜日
 
アジサイ20万本と、おもしろ看板

まずはクマさん注意の看板


えらいカラフルで。カジュアルな物言いの注意書き。

麻綿原に着いてすぐの所に立っていた看板。

クマさんのいる地域へ入るにはラジオ
ハチさんのいる地域には帽子タオルで白く
山ヒルのいる地域には防虫スプレー。これって
体験智、体験智として覚えていただけるとありがたいのですが!?

まずカラフル。そして最後の「ありがたいのですが!?」というフレーズが目を引く。やや、ただならぬオーラや主張を感じるのだ。

いや、でも、これだけだったら、たまたまこの看板が「ちょっと変わっている」で済んでしまうのだが、寺の中を進んでいくともっとおもしろい看板があった。

 

注意書き付きのおねがいサイコロ

お寺の一角にお地蔵さん。それはおかしくないけど、なぜかチンチロリンの器みたいのがある。

サイコロを買ってそれを投げる。サイコロは木の立方体で、各面に文字が書かれている。

「これは仏教の法身・般若・解脱の三徳にちなんで三個までです。熱くならないように!」

だそうだ。最初の看板はお寺から少し離れた所にあったので、まさかお寺の人が作ったとは思ってなかったんだけど、これ、同じノリだ。間違いなく一人の人間の仕事だ。

よくわからないサイコロを投げる儀式の回数が、なぜか三徳にちなんで三回に制限されていて、最後には熱くならないようにと注意書きまで書かれている。

なんだろう、この感じ。でも奥にはもっとスゴイ看板があったのよ。それが、これだ。

 

水神様の説明書きが最強だった


水神様に水を掛けて悩みも水に流そうというシステム。横に説明がありますが。

お寺で顔文字って初めて見た。

そのまんま引用しよう。

水掛水神妙神(みずかけすいじんみょうじん)
あなたの悩みを水に託し、水神さんに掛けてともに流して下さい。これであなたの悩みは解消?・・・ッてな訳ないか(^_^)
とりあえず悩みと正面から向き合おうっと!”これが一番の解決策。
えッ、じゃあ水神さんへの水はなんなの?
悩みがひとつ取れて前へ進めますように。諸行無常、諸法無我。

スゴイ。コレ書いた人、間違いなく天才の部類だと思う。

ッてな訳ないか(^_^)」を読んだときのズッコケ感から、「向き合おうっと!」に繋がる気持ちの転換が凄まじい。それで「じゃあ水神さんへの水はなんなの?」と疑問を提示しておいて、それに答えること無く「悩みがひとつ取れて前へ進めますように。」と書いて終わられてしまうセンスには脱帽した。

〆の「諸行無常、諸法無我」も、ここ以外ではありえないほどの見事な配置。完璧だ。

斜めから見てバカにしてるとかじゃなくて、本気で感心した。アジサイの見事さがこの看板一枚に持って行かれたような気分だった。

 

すっかり良いところに来てしまった。さぁ、帰ろう


今がギリギリ。今週末だとちょっと咲き頃終わってるかも。

アジサイも綺麗だったし、看板も面白かった。歩いてきた道のりは遠かったけど、苦労して来た甲斐があった。さて、また5km歩いて帰りますか。来た道を歩き始めた。

と、帰り道の途中、道路のすぐ横の崖に鳥がいた。


おそらくキセキレイ。巣らしきものの中にいた。

歩いていたらいきなりいた。ちょうど目の高さ。気付いたときには距離にして50cm。近い。真っ黒な目と目が合った気がした。

こんな近くで野生の鳥を見たのなんて始めてだ。カメラを構え、2枚写真を撮ったら飛んで逃げてしまった。

巣の中を覗くと、雛と卵があった。


目もまだ開いてない小さな雛。奥の子、ぐったりしてませんか。大丈夫ですか。

わぁ!と思って写真を1枚だけ取って巣から離れた。親鳥さん、早く帰ってきて下さい。親鳥は僕らが離れると巣に戻っていった。

今回出会った最後の敵は、敵じゃなくて小さな親子だった。

まとめでーす

初めて行った身近な名所、麻綿原は良いところだった。県民の森からの道は暑かったけど緑が多くて気持ちよかった。

境内の売店で売ってたアジサイこんぺいとう。350円。可愛い。

おもしろ看板あり、見晴らしの良い高台あり、日蓮あり、アジサイあり、小鳥ありの楽しい場所だった。まだギリギリ見られるらしいから、すぐにでも見に行ったら良いと思う。スケジュール的に無理なら、来年の7月に行ったら良いと思う。

ついでに房総で遊んだら良いと思う。松本商店はもうやってないけどさ。


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