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土曜ワイド工場
 
都会の真ん中で、虫を捕る

ここまでのあらすじ

都会で昆虫採集をしようと意気込んで東京のど真ん中にやってきたが、まったく虫がおらず意気消沈。自動販売機の灯に集まる虫を、とも思ったが都会の夜は自販機よりも明るかった。

現在最終手段として街路樹にしかけた特製虫トラップ(バナナの焼酎漬け=これでクワガタを採った実績あり)に虫が集まってくるのを待っている状態である。


それにしても東京は都会ですね。

トラップを仕掛けて一日半。すっかり日も暮れ、昆虫の時間となった(虫は日没から2、3時間がよく集まると言われている)。

果たしてどんな虫が集まっているのだろうか。


あったあった!

どんな虫が集まったのか

正直トラップが次の日まで残っていたことにまず安心した。このあたりは清掃が行き届いているのですぐに回収されちゃうかもしれないと思っていたのだ。

トラップを設置するにも都会では勇気がいる。時期が時期ならしゃがみ込んでカバンから取り出した何かを木にくくりつけているだけでテロかと思われるだろう。虫を捕ろうとしていた、では絶対許してもらえない。

さて、どんな虫が集まっているのだろうか。期待に胸が膨らむぞ。

こんばんは!


しーん。

バナナはバナナのまま、手つかずだった。焼酎の匂いはほとんど消えているが、それでもまだかすかにアルコールの香りがバナナの匂いに混じって放たれている。

こんなに魅力的なトラップなのに、なぜ虫が寄ってこないのか。

やはり虫がいないのだ。それから都会にはバナナよりも焼酎よりも魅力的な匂いがたくさんある。少し歩けば新橋の飲み屋街があって近くには焼酎の瓶がごろごろ転がっているのだ。虫がいるのならば最初からそっちに集まっているだろう。


この辺りの方が何倍も酒臭い。

帰ろう。


虫の住みにくい街、東京

都会には驚くほど虫がいなかった。もちろん場所にもよるとは思うのだが、今回歩き回った銀座、丸の内あたりにはアリすらいなかった。

ありきたりなまとめになってしまうが、人間にとって快適な場所というのは人間以外の生き物にとってはたいてい住みにくいものなのだろう。その点、新種が見つかったというロンドンは東京とは違う思想で作られた街なのかな、と少し憧れてみたりしたのでした。

まったく自由研究の役に立てずにすみませんでした。やっぱり虫を捕るなら森に行った方がいいみたいです。

ビルの谷間でセミが一匹鳴いていた。いい根性しているとは思うが、そこにメスはいないと思う。

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