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はっけんの水曜日
 
高遠ブックフェスティバル 〜「本の町」はいい感じ!〜


「高遠駅」とタクシーに告げると、たどり着くのはここ、バスの駅なのだ!鉄道の駅はここから車で20分。

8月最後の土日、縁あって「高遠ブックフェスティバル」に参加してきた。フェスだ、夏フェス。でもふつうのフェスのイメージとちょっと違うぞ、「ブックフェス」だ。

具体的にどんなフェスかというと、2日間、高遠という町全体を「本の町」に仕立て、「ブックツーリズム(本+旅)」を体験できる試み、なのだ。

旅行に本を1冊携えて行く方も多いと思うが、その本自体をテーマにした旅とは―それはどんなものだろう。正直、企画から参加させていただいた私にも、当日まではっきりとしたイメージは頭になかったのだ。がしかし。

乙幡 啓子



本当に「本の町」になってた!

高遠という町の名は、以前から知っていた。「たかとお」という響きが強く印象に残っていて、何で知ったかは記憶にない。長野県の南信地方、伊那市の一部。春には一帯が桜の名所になる。城跡も歴史もそこにあるが、決して大きくはない町だ。こんなフェスがなかったら一生来なかったかもしれない、そんな町。

しかし国道沿いにしばらく続くメインストリートは、打ち合わせで6月に来たときと違い、観光地のように人の流れができていた。


これがメインストリート。蔵造り、町屋造りの古い家が点在する、小さいが居住まい正しい町だ。

このフェスはもともと、「本の家」という古本屋を高遠でやってらっしゃる斉木さん、そしてライターの北尾トロさんらお仲間3人で始めた活動の一環ということである。斉木さんは、以前は東京の西荻窪でブックカフェをしていらしたが、縁あって高遠に移住し、日本に初めての「本の町」を作ろうと、地元の方々と頑張っておられるのである。

ヨーロッパに点在するという「本の町」。本好きの集まる町。斉木さんらのイメージするのはそんな場所。だが私は、その海外での本の町の様子は写真で見て知っていたが、高遠でのイメージがはっきりとは描けてなかった。

しかし実際、街中をゆっくり歩いてみると、ああそういうことかしらと、じわじわと沁みるようにわかる気がした。


そこかしこの家の軒先に本棚を置かせてもらい、本を並べてある。
もちろん、古本屋さんが集まっての即売会もアリ。

かと思えば自由な文庫本ディスプレイ@民家の軒先。
ふと気づくと本が歓迎の意を示してたたずんでる。

風情ある建物が並んで観光地のような目抜き通りだが、閉じてしまった店跡もポツポツと見られる。そんな店跡に本を置かせてもらったり、古本マーケットが誕生している。「本の町」という主旨を聞いて訪れたのだから不思議はないわけだが、例えば地元の人だったらちょっとした異次元のように感じるだろう。僕の町が突然本だらけになる、という感覚。

もちろん、町全体が「本の町」なので、路地を入ったり丘の上に上ったりクネクネと散策するうち、そこらじゅうに本を発見することになる。



ふと神社の300段以上ある階段を上ろうと思いつく。
途中で本に励まされる、ゼー、ゼー、ハー、ハー。

フヒー、頂上についてまた本にねぎらわれる。
なぜ上ってきたかというと、頂上でもイベントがあるから!

本棚を置きつつ、商売も忘れない酒屋さん。
ふだん何てことのない路地も、人が本に吸い寄せられてマーケットができてる。

 

町に“乙幡”の文字が前代未聞の数

さて・・・私がなぜこのブックフェスに来ているのかを説明するときがやってまいりました。

おあっ!「乙幡啓子杯争奪・高遠縦断ウルトラクイズ」なるものがプログラムにあるではないか。


立て看板が本当にいたるところに立っている。妄想クイズ・・・。
こういう暗号めいた紙を順に組み合わせて回るという妄想ぶり。


「本人」であることの証を身に着けて、町を2日間歩き回る。
これを配るために。

「妄想クイズ」とあるとおり、拙著「妄想工作」にちなみ、妄想的なクイズ企画の立案に参加していたのでした。

つまり、クイズの参加者は町の数箇所に設置されたお題を解きつつ、なるべく短時間で帰ってこなければならないが、その途中で私を見つけたら上の「20分短縮券」をゲットでき、成績アップにつながるのだった。よって私は、(主に小学生から)常に追いかけられる存在となった。


見晴らしのいいところで、ここらの名物「駒ヶ根ソースカツ丼」を、いただきま・・・
「乙幡啓子だ!いたいた!」と声をかけられ、カードを渡したところ。そして食事続行。

なんと決勝戦は早押しボタンも用意され、MCも来て本格的だ。そこで挨拶する、初めましてわたくし乙幡と申します。
「ニューヨークに、行きたいかー!」(もらえるのは温泉の入浴券)

ウルトラクイズという企画自体は、ブックフェスのスタッフさんらが考えたものだが、これはうまいと思った。知らず知らずのうちに町中を、あっちこっちとめぐることになるから、普通に観光として外から町をさっとなぞるより濃い時間を持てる。

ところで余談の上、私事であるが、「乙幡啓子」と書かれたゼッケンを着けて町をまわる、そのこと自体はまったく恥ずかしくなかったが、たまに「乙幡啓子、って誰だね?」という、町のおじさんの声が聞こえてきたりする。聞こえるたびに、なぜかすまない気持ちになったりしました。

すまないといえば、先週お伝えした「飛び出す絵本仕様・元祖 本の町」の模型ですが、完成品はこのようなこととなりました。


できたはいいけどなんか中心に寄ってるなあ。

製作途中。送風パイプが地下を走る。
建物は手書きではあんまりだったので、写真をアイロンプリントした。

あれから改良を重ね、ようやく前日(!)に完成。宅配便で送ったものが当日昼に会場に届く。

5箇所の建物へ手元のポンプで風を送ると、建物がプワーッと膨らむ、そんな「飛び出す絵本」。妄想という点では妄想も妄想な仕組みである。

大勢のスタッフの前で実演するも、たじろいだあまりちょっとしか録画できなかった動画はこちら!



ととと、とにかく役目を終えた。引続き会場内の催しを見ていこう。


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