「幼稚園のころ、まず仮面ライダーに夢中になったんですよ。悪い奴らを蹴り倒して仕留めるって何て爽快感だろう!とね。でも、子供なりに『仮面ライダーにはなれないだろうな』って思ってたんです。そこで小学校に入ったころ、ブルース・リーの映画に出会ったんですよ!生身の男が仮面ライダーと同じ事をしている!とびっくりしたんです」
−−バッタバッタと悪を一撃で仕留めてると。
「ただ、見たこともない武器を持ってるんですよ。あれは一体何なんだ?と調べてみたらヌンチャクと言うらしい、と」
−−小学生だとそれまで見た武器っていうと剣とか銃くらいでしょうしねえ。あんまりテレビでも出ないし。
「それで自分もやりたい!と思ったんですが、どうすればいいか分からない。買うにしろどこにも売ってないですし。そこで、自分の地元が北海道なので除雪用のスコップがどこの家にもあるんです。それの柄を2本に切って鎖を釘で打ち込んで‥」
−−また乱暴なヌンチャクですね(笑)。
「それを黒のビニールテープで巻いて完成ですよ。それからもう学校から帰ると、ひとりで公園で樹を蹴飛ばしたりヌンチャクの練習ですね、毎日」
−−ヌンチャクのお手本は映画だけ?
「そうですね。まだビデオも無かったですから、映画のイメージだけで(笑)。でも練習法は変わりましたけど、当時思った憧れは変わってないですよ。『ピーターパン症候群』ってのがありますけど、自分の場合は『ブルース・リー症候群』ですね(笑)」 |