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フェティッシュの火曜日
 
人んちの歯ブラシコップが見てみたい

田村さん(女性/34歳/主婦)


いかにも「子どもがいる家庭」って感じの歯ブラシコップ

・買ったところ:100円ショップ
・どのくらい使っているか:3ヶ月


田村さんは二児の母だ。電話で使用状況を聴いてみたところ、ガーっといろいろ教えてくれた。

「うちはね、半年ごとに買い替えるのよ。バカ息子が汚すからさあ!すぐカビちゃうの」
「この間、子どもが取っ手の穴に指突っ込んで、抜けなくなっちゃって。大泣きしててて、救急車呼ぶかと思ったよ!だいたい、穴を見て指突っ込みたくなるなんて10年はやいっつーの!ねえ!どう思う?」

どう思う?と聞かれてもコメントしずらい。それにしてもこの小さな取っ手の穴に指を入れてしまうのか。子ども、元気だなあ。

---歯ブラシコップを買う時にこだわりってありますか?
「ワッパ(歯ブラシコップの直径)が小さいやつかな。大きいと下の子どもが使いにくいから。でも小さすぎると大人が使いにくいからね、そこは考えるね。取っ手は、絶対に必要。ないと子どもが持てないんだわ 」

明快な回答が返ってきた。家に小さい子どもがいるとは、こういうことか。歯ブラシコップの形や大きさから、取っ手の有無まで子どもに合わせてチョイスしている。

歯ブラシコップを見せてもらっただけなのに、にぎやかで楽しい家庭の様子が見て取れる。ここにきて、歯ブラシコップ鑑賞が良い趣味かもしれないと思えるようになってきた。

 

大坪さん(女性/34歳/主婦)


かわいらしい色合いのコップ

・買ったところ:たぶん100円ショップ
・どのくらい使っているか:わからないが長い


主婦の大坪さん、とは当サイトライター、大坪ケムタさんの奥さんである。家が近所ということで、直接撮影にお邪魔することができた。

---いつごろから使っている物ですか?
「これは夫と一緒に暮らしはじめた時には、夫の部屋にありましたよ」

---大坪さんの奥さんのもの、というよりは大坪ケムタさん本人の物だったんですね。
「夫はオレンジ色が好きなので」
「多分、前の彼女の物を引き継いでいる…とかではないと思いますね」

あ、なんかちょっと触れない方が良い方向に話が行っているのかもしれない。

ちなみにこの後、大坪ケムタさんにも話を聴いてみたところ、「よく覚えていないけれど、実家の佐賀からの上京時にはあった」とのことで、だいぶ年季が入っている。ちなみに「壊れないから買い替えないだけ」で、「使いやすいとか、気に入っているとか、そういうことは考えたことがない」そうだ。

歯ブラシコップに対してドライな発言をしているように見える大坪ケムタさんだが、相当長い間こわさずにキレイに使っている。上京から現在までに数回の引越があったが、捨てたりはしていない。物に対する自然な愛情、という気がした。


こういう種類の愛情ってありますよね。ツンデレ。

 

斎藤さん(女性/24歳/システムエンジニア)


妹に「歯ブラシコップを見せて」とメールしたら、こんな返信が来た

新宿まで来てもらった。歯ブラシコップを買うために、だ

「斎藤さん(女性/24歳…)」などと白々しく表記してみたが、僕の妹である。どうにも歯ブラシコップ集めに苦しんで、身内にも協力してもらった。

妹は神奈川で一人暮らしをしている。「歯ブラシコップはすぐに汚れる」からこれまでは手ですすいでいたという。このへん、Kさんと同じだ。

しかし、今回「あってもいいかも」ということで、一緒に歯ブラシコップを買いに行くことにした。歯ブラシコップ選定の現場を押さえようと思ったのだ。


これは今イチらしい
これは派手過ぎとのこと

新宿の100円ショップで選んでもらおうと思ったのだが、どうもシンプルなものが見つからない。少し値段が上がるのを覚悟の上で、近くの無印良品まで足を運んだ。

ちなみに、「値段が上がるのを覚悟の上で」などと今書いたが、べつに僕が買ってあげているわけではない。自腹で買ってもらっている。なんとなく値段が上がると悪いなあ、と思ったのだ。


左のは陶製で500円、右のはプラスチックで250円
プラスチック製のものを選んだ瞬間。満足そう

妹の歯ブラシコップ購入した瞬間に、決め手を聞いてみた。こんな感じらしい。

・シンプルで
・壊れにくくて
・汚れが目立つもの

となりで見ていると、歯ブラシコップ一つ選ぶのにも結構いろいろ考えているし、時間をかけている。
また、購入の決め手の中に「値段」が入っていないのが興味深い。

歯ブラシコップは家族の象徴だ

今回8人の歯ブラシコップを見せてもらったのだが、意外なほどにその人の生活状況を反映するものだった。

そして、「ひとり暮らしを始めたときに買った」「結婚の時に持ってきた」「子どもが持ちやすいように」…など、話の中に家族というキーワードが見え隠れするのも興味深い。

「歯ブラシコップは家族の象徴だ」なんて言ってもそんなすぐには理解してもらえないかもしれませんが。

購入した後に妹と新宿で久しぶりに飲んだ

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