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フェティッシュの火曜日
 
神田川の洞窟のなぞ

天井が低い!

そこからさらに200mほど進んだあたりで、天井が一段と低くなって、見るからに息苦しくなってきた。高さは2mないくらいだろうか。


天井が低い!

ぼくのここでの目的は、さっきのなぞの扉をこちらの水路側から確認することだ。だからせめてそこまでは行きたい。でも船長は、天井の低さからこれ以上は危険だという。

 

向こうに扉が見える?

では引き返す前にせめて向こうの様子をフラッシュを使って撮ってやろうとしたのが上の写真。心の目をこらすと、さっきのなぞの扉っぽい黒い影が・・見えないですね。

ここを最後まで抜けられなかったのは本当に残念だ。でもきっとこの先に例のなぞの扉があるのだろう。そう確信している。

 

さっきの下水道は小石川?

で、さっきの下水道の合流点のことだ。それは2つあった。

 


より大きな地図で 水道橋分水路、下水道との接点 を表示

 

オレンジの線は、もぐった経路。水道橋をくぐった距離からの位置関係から推測するに、下水道の位置は、だいたい紫の線のあたりになるのだろう。

ここで妄想をたくましくする。このあたりの地名は小石川という。でも現在はそんな名前の川はない。暗渠化され、東京ドームの下をくぐって神田川に注いでいる、とされる。


市兵衛河岸の気になるふた

さっきの紫の線を神田川の方向に伸ばすと、そこには船着場がある。かつては市兵衛河岸と呼ばれていた場所だ。で、そこにかねてより怪しいふたがあるのだ。そのふたはいつ見ても閉じられている。

分水路内部で見たことと、これらの状況をあわせると、こう言えるんじゃないだろうか?

まず、分水路内部で見た下水道は、かつての小石川の現在の姿だ。それが以前は市兵衛河岸のふたの部分から神田川に合流していた。その後、分水路の完成にともなって分水路内に合流するようになり、上述のふたは用なしとなって閉じられた、と。

ぼくいま大発見のつもりで興奮してるんですが、どうでしょう。なんだかマニアックすぎましたでしょうか。

 

経路図もらっちゃった

さて、肝心の疑問、つまり奥側の水路は水道橋東側までつながっているのか?については、たぶんそうだろうというところまでしか分からなかった。

でも気になる。

気になることは、作った人に聞いちゃえとおもって、東京都建設局に聞いてみました。分水路の経路図とかってあるんでしょうか?と。そしたら「ありますよ、あげます」と言われてもらっちゃいました!


これが水道橋分水路の全貌だ。

残念ながら詳しく大きく載せるわけにはいかないけど、結論からいうと推測の通りなのだった。

水道橋分水路は、1.白鳥橋から水道橋までの暗渠と、2.飯田橋から小石川橋までの暗渠の2つが途中で並行する形式となっていた。

こういう形式を「暗渠二連」というらしい。どうでしょう。二度と使わないと思うけど、分水路用語の基礎知識としてなんとなく紹介してみました。

最初から聞けばよかった?

まさか分水路の経路図をいただけるとは。長年気になっていただけに、さっさと教えてもらえばよかったという気がしないでもない。

でも、探検はそれだけで楽しい。今回案内していただいた船長さんも、とても興奮したと言っていた。今度は、水道橋から御茶ノ水方面もちょっと探検してみたいですね。危険のない範囲で。


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