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フェティッシュの火曜日
 
石器クッキング

「え〜と、だからこうやって角度を合わせて…」
「貸して貸して!割っていい?石で割っていい?」

この季節は牛も動かない、なんて昔からよく言いますよね
「もう石で割っていいでしょ?」「え?あ…いいよ」

ガシャン。

「われたわれた」とても雑に割れた

黒曜石は雑に割れた

黒曜石人栄平いきなりのピンチ。黒曜石はこのようにとても雑な割れ方をした。

でもしかたがない。だって太陽がまぶしかったから、という理由はあながちうそではない、暑いと時間の停滞が許されないのだ。ルマンの24時間レースと同じである。

いや、ガンジスのガートをルマンに例えるのはいささか大仰だったかもしれない。我々はそこまで事態を重く見ていなかった。割れた破片はうわさに聞く鋭利さだったのだ。


「切れ味を試すくらいならこれくらいの小さいものでいいのでは?」という顔と「おれでしょ?おれを撮ってんでしょ?」という顔が並ぶ

黒曜石vsココナッツ

いよいよ黒曜石でココナッツを試し切りだ。黒曜石人栄平としてやっていけるのかどうか?このココナッツさえ切れれば私は料理人として独り立ちできる!


このシュロのようなひげの中に硬い実が待っている、いけ、黒曜石!

ちがうちがう、こうやってむくんだ、と奪われる

ココナッツはやはり人気だ

あ、ココナッツ!知ってる?これうまいんだぜ〜、と子供たちが口々に言い、水の音する?とココナッツをふる。

おまえたちは何を見ていたのだ。今日はココナッツを食べる会ではなく、ココナッツの硬さに挑む会だろ。あれだけ黒い石を割った割れないとやってただろ。

そんな思いをみじんも汲みとってくれない子供たちは私からココナッツを奪い取り、実についてるひげをむきはじめた。


ああ、なるほど、こうやってむくんだな、と自分でやるのだが

遅いから貸せ、おれがやる、とココナッツを奪われる

いや、おれがやる

いやいや、おれがやる。もうなんだっていい!

ココナッツは子供の目の色を変える

石器、負けた。ココナッツを前にした子供たちはすっかり黒曜石のことなど忘れ、おさるさんバナナむきむき大会を開催していた。

いや、悪いの私だった。巨人・大鵬・ココナッツ。そんなのは昔話だと思っていたが、今でもココナッツ人気は健在であった。


カー、クーラー、ココナッツの3C時代を生きる子供たち

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