刺激6:電気ショック
僕の持っている屋外用携帯ガスコンロは、電圧で火花を飛ばして点火する方式のものだ。根元のボタンを押すと、バチンと火花が飛ぶ。
電気刺激で内部の液体を刺激してやれば、イオンの状態が不安定になって、そこから一気に結晶化するに違いない。今回の方法にはかなり自信がある。僕はエコカイロを両極の間に挟み、満を持して火花ボタンを押してみた。
どうもビニールの絶縁性が高すぎて、電気を通さないっぽい。この方法にはかなりの自信があったのだが、高電圧を求めてスタンガンを買ってくる気もしないので、潔く断念することにした。 こうなったら最終手段、刺激というか爆破の一歩手前、衝撃波による挑戦だ。
刺激7:爆竹
これまでの地味な刺激のことは一切忘れて、爆発による衝撃を与えてしまえば、問答無用で結晶化させることができるのでは無いだろうか。もう実験の失敗が続いて、破れかぶれになりつつある。 カイロ自体の破裂は避けたいので、買ったときに入っていたプラケースにいれ、爆竹を存分に貼りつけた。
確実に勝算がある。 金属板パチンで反応する程度のものが、爆竹の炸裂を真横で受けて反応しないことがあろうか。 意を決して僕は爆竹に点火した。
思った以上のすさまじい爆音が野原に響き渡った。立ち上る煙。僕はおそるおそるエコカイロに近づいてみた。
ケースの様子はいずれも爆発のすさまじさを物語るものであった。貼り付いてしまったエコカイロを何とかケースから剥がしてみると……
お前の勝ちだ、エコカイロ。
結論
エコカイロすごい。爆竹を炸裂させてもびくともしないんだからすごい、と思ったが、よく考えると、すごいのはエコカイロのよりも金属板なんじゃないだろうか。溶液の中にあるというアドバンテージはあるにしろ、あのパチンだけでエコカイロを反応させるのだ。 今回、ドSとなって、サディスティックにエコカイロを責めまくった僕だが、むやみやたらに責めても何の変化も無かった。少しの刺激で、意のままにエコカイロを操るあの金属板こそ、真のサディストのあるべき姿なのかもしれない。