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フェティッシュの火曜日
 
恐竜になる

恐竜小説、はじまります

お目当ての動物園がなくなったので、趣向を変えて、ここからはフィクション自立ててで恐竜のとある一日を紹介します


恐竜上京物語 


恐竜、秋田から上京

高校を出た恐竜は、集団就職列車に乗って、明け方上野駅に着いた。ここが東京か、みんなしっぽが生えてないじゃないか。見るものすべてが新鮮だった。

就職先のメッキ工場には断りの電話を入れた。一人の恐竜としてこの大都会で暮らしてみたかったのだ。



恐竜、なけなしの金でそばを食う

恐竜が食ったのは蕎麦だった。作りおきのかき揚げは、冷たい味がした。



恐竜、立ち食いで食う

恐竜は蕎麦屋にイスがないことに驚いた。立ち食いそば屋に入ったことがなかったのだ。しかし、それは彼にとって好都合だった。



恐竜、差別を知る

住む所を探す恐竜。四畳半でいい、腹をくくっていたもののそれでも家賃は高かった。やっと見つけた物件には「恐竜さん、お断り」の文字。恐竜は世間の冷たさを知った。



号外を受け取る恐竜

道を聞いてもそ知らぬ顔で通り過ぎる人々。秋田ではこんなことはなかった。街では号外が配られていた。自分にも配られるのだろうか…

号外を手にした恐竜はW杯のメンバーが決まったことよりも一人の人間として認められたことがうれしかった。「サプライズは川口、そして…」



W杯のサプライズとして恐竜

きょ、恐竜!?「サプライズは川口、そして恐竜」恐竜は自分がW杯のメンバーに選ばれたことを号外で知った。こうしちゃいられない、サッカーだ、いますぐサッカーのトレーニングを始めなければ。


走った、恐竜は走った

こんな自分でもW杯に選んでくれた…恐竜は岡ちゃんに感謝した

走った、恐竜はガニ股で走った

でもしっぽは抱えた方が速かった。(完)

終了後、しっぽに詰まったドリンクを飲む

迷走につぐ迷走、だが充実感はある

iphone、ipad、Xperia、ワールドカップ。今ネットメディアでお伝えしなければならない情報は他にもあるはずだ。そんな折の恐竜のしっぽレビュー。流行に2億年くらい乗り遅れた。

「なんで恐竜のしっぽなんか作ったの?」撮影中、安藤カメラマンにずっと言われ続けたことだが自分でもわからなかった。結果、この迷走っぷりだ。

ただ気になったから、としか言いようがなかった。どうしても恐竜のしっぽの感覚を味わいたかったのだ。ここまでなら良い話だが、問題は味わったからといって大興奮はしない、ということだろう。

ただ静かに興奮していた。恐竜のしっぽの感覚ってこんなんなんだ。


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