もも裏が痛い

大方の予想通り、幅をとった歩き方だと安定する。しっぽに4キロの重みがあるので、自然と体も前傾する。

おお、これぞ恐竜だ。恐竜の気持ちがちょっとわかった。

恐竜の気持ちを代弁すると、「歩くとさー、しっぽがもも裏にビタンビタンってなって、あれけっこう痛いよねー、プテラノドンとかあの子たち空飛べてずるいよねー」こんな感じだ。

多分こういう会話が恐竜の給湯室で交わされている。

あれ？バランスがとれない

しっぽがあると、バランスがとりやすい。そんな思い込みがあったのだが、だめだった。今までの感覚が全部なしになってるからか、自分の重心がどこにあるのかがわからない。

はじめっからしっぽがある人生だったらバランスについても何か言えたかもしれないが、急にしっぽをつけてもムリなのだ。

あまり目立たない

わー、恐竜のお兄さんだー！公園に行ったらきっとそんなちやほやが待っているんだろうな、と思っていたがそんなこと全くなかった。

ほら、恐竜だよ。内心、見せびらかせたくて仕方がなかったのだが目もくれない。

「なんかのCMだよ、きっと」と言い放った子供たちは、そのままブランコ遊びに戻っていく。ポケモンか、そんなにポケモンがいいのか。おれはポケモンの先祖だぞ、と言いかけてそういう酔っぱらいのおじさんいるな、と思った。おれだ。

都会の子供は乾いている。悔しまぎれに言うと、公園でバランスをとるっていう地味なCMはないぞ。

電車も概ね問題なし

恐竜になっても通勤は可能。ただ、色々な場面で角度がびみょうに違ったりはするが概ね問題ないだろう。

注目度もそこまで高くない。そのこと自体がこの企画の地味さを表わしているが、通勤に注目はいらないのだ。

このまま電車に乗って上野に。

あまり注目されないから、動物園でしっぽのある動物の隣で自慢してみようと思ったのだが。