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ロマンの木曜日
 
本気の!女子高生芸人イベント

出会ったのがロックではなくお笑いだった

さてイベントの途中ですが、女子高生で芸人を目指す彼女たちは何を思ってネタに挑んでいるのか?普通お笑いは好きで見はしてもやる側にはなかなかいかないもの。イベント終了後、彼女たちに話を聞いてみました。(I.Sは所用のため先に帰宅)


左より青虫マーチ(かたやまひでみ、南)、OLive(ゆめ、やすだ)、岡西のぞみ。


ちなみに「女子高生っぽいポーズでお願いします」と撮ったのが上の写真。たしかにこの一枚だけ見るとどこかのカラオケボックスっぽい。

まずは王道の質問、それぞれが芸人を志したきっかけから聞いてみた。

 

やすだ「これは真剣に答えるんですか?(笑)」

−−一応ここはネタ無しで!

ひでみ「私は幼稚園の頃から芸人になりたいって真剣に思ってて。中2の春くらいにインディーズの芸人ってのを始めて知って。それで面白かったら出れるんや!って思ってからですね」

南「私は太り始めたんがだいたい中学生の時…」

一同「(笑)」

南「芸人で見た目が面白い人多いじゃないですか。それで自分見た目面白いし、アホやし、普通の職業に就きたくなかったんで(笑)」

−−体型がきっかけってのもすごいなあ。

ゆめ「自分もお笑いは昔から好きやったんですけど、中学生の頃に友達関係でいろいろあってテンション低くなってる時に、次長課長さん見て『なんでこの人らは元気にしてくれるんやろう』って思って、それで自分もなりたいなと」

やすだ「私も学校が楽しくなくて…いじめられてたとかじゃないですよ!(笑)そんな時に自分はランディーズさん見てから自分も、って」

岡西「うちは家が厳しくって、高校になってやっとインディーズライブとか見に行くようになって自分もここに立ちたいなあって思ったのが最初ですね。それですぐ相方探して」

−−昔ならそこがロックバンドだったんだろうけど、今はお笑いなんだなあ。

 

この5人は全員大阪の女の子。大阪という「芸人やお笑いが極めて近い街」ならではの土壌もあるんだろうが、今身近に触れるメディアの状況を見てると、ロックよりもお笑いに刺激や感動を受けて「自分もやりたい!」「ステージに立ちたい!」と思うのは分かる気がする。現在37歳の自分が16歳の時に見たバンドブームのような。


尊敬するジャンルの先輩だけに、厳しいアドバイスも神妙に聞ける。


とはいえ「見る」と「やる」では違うのは何のジャンルも同じ。実際「やる側」になって気づいた大変なこととは?

岡西「場所による笑いが難しいことですね」

ひでみ「やっぱりお客さんの年代が違うんで。みんなが笑ってくれるネタをやりたいんだけど、自分らが思ってるのと違う」

ゆめ「あからさまに狙って笑い取りに行ってる所がウケんくて、『ここ小ボケやろ』って所やアドリブが一番ウケたりする時ありますね」

一同「あ〜(納得)」

−−あるあるネタなんか、知識や経験が合わないと受けないからねえ。

南「高校のあるあるネタなんかもあからさまに違いますからね」

−−高校別で違うんだ!

ひでみ「あと大変なこと言うたら、お母さんは私が幼稚園の時は芸人になるのに賛成してたのに、今となっては『何してんの!』って言われるんです。ビビり始めてます。もう名前も呼んでくれないんですよ」

南「まぁ家族には嫌われてますねえ。学校の友達なんかは応援してくれますけど」

やすだ「でも広まるとすぐ『ネタやって〜』とか言ってきたりしてね」

一同「あ〜(うなづく)」

やすだ「『すぐ出来るかい!!お前やってみい!』って思いますよ(笑)」

 

それ以外にもインディーズ芸人の中でも「女子高生」というだけで舐められる、というのもあるんだとか。やはり年齢というのは様々な部分で壁だ。家族に対しても、世間に対しても。

夢で終わる夢なのか、現実に繋がる夢なのか。だれも保証が出来ないゆえに心配もするし、だからこそ本人らも熱くなるというもの。それに現実にこんなこともあるから続くのだろう、と思えたのが次に聞いた「芸人になってみてよかったこと」。

南「昔妹とコンビ組んでやってたんです。お笑い嫌いだったんですけど、おかしい子やから面白いかなと思って」

−−姉の権限でコンビ結成(笑)

南「結局辞めたんですけど、その後友達から雰囲気明るくなったって言われて。友達も増えたと」

−−「芸人で明るくなりました!」って怪しい通信教育みたいな。

岡西「もともとわたし人見知りなんですけど、やりはじめてからマシになった気がしますね」

ひでみ「あと人脈が広くなりました!芸人さんだけでなくミュージシャンの方とか、いろんな職業の人と」

ゆめ「普通触れあわんような人たちと会う機会があって、新しい価値観の人と会えて世界が広まるといいますか」

−−客も審査員もこの店も、普通なら会わない人・行かない場所だもんねえ。

やすだ「わたしは学校におる子とかだとおしゃれとか化粧話とかになるじゃないですか。それもヤじゃないですけど、ここに来たらめっちゃ面白い話出来るんですよ。毎日お笑い関係に触れられるのが楽しいんです」

 

たしかに、学校の部活動に入ったところで基本的に知る世界はあくまで同世代のセカイ。それが他校や全国に知り合いが出来ても基本的には同世代としか会うことはない。それも悪くはないけども。

しかし彼女たちは普通出会えないような大人(しかもだいたい変な大人)に出会えて、学校にはいない同志にも会える。そこでいろんな広さや深さを学べるんじゃないだろうか。人間とか大阪とか演芸とかの。


学校では出来ない、いい課外活動だよなあ。

フツーの女子高生と普段会話することないので比較は出来ないけれど、こんな場にいればちょっとイビツだけど他の子とは違う面白い成長するだろうなあ。そんな高校生活、素直にうらやましい。

さてイベント後半、残り2組を紹介しますよ!女子高生くの一と女子高生力士&外国人です。女子高生て付けると何でもなんとなく気を引きますね。


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