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はっけんの水曜日
 
黄身が白身で白身が黄身なゆで玉子

意地でも作ってやるぞ、黄身返し


さすがは“秘伝”とまでいわれている料理、そう簡単には成功させてくれそうもありません。

しかし、ココで白状しちゃいますが、黄身返しのことをネットで調べている時に、最新型の黄身返しの作り方……というのを見つけちゃったんですよね。

企画的には一応、自分なりの方法でやりたかったので、見ないふりをしていたんですが、ここまできたらそうもいってられません。

恥も外聞もかなぐり捨て、最新式「黄身返し」の作り方を参考にして、なんとか黄身返し完成を目指したいと思います。


ストッキングを買うのは少々勇気がいりました

さて、その最新式黄身返しをするのに必要なのが、ストッキングです。この方法は、京都女子大学の八田教授が考案したらしいのですが。


ボクの中のなにかが、ざわめき出してしまいそうなルックス

まずストッキングの足部分に玉子を入れて。

ストッキングをギュウギュウとねじり上げて……。

……と引っ張って、玉子を高速回転させることによって、遠心力で黄身の薄皮をぶち破り、黄身は外側へ、白身は内側へ……と移動させてしまう、ゴーカイかつ科学的な方法なのです。

これだったら……これだったら遂に夢の黄身返しを実現出来るんじゃないでしょうか……。


※調理中

さてさて、高速回転で遠心力をグワングワンに与えた玉子。こいつをゆでたらどうなるのでしょうか。


あれ!?

あらま?、キレイなゆで玉子が出来ましたこと……。回転が少なかったんですかね?

……ということで、今度は思いっきり何回も何回もグイングイン回転させてみたところ。

ゆでてる間に、いきなりカラが割れ、中身が大爆発してしまいました……。

ウヒャー!

爆発した中身は薄い黄色で、白身も黄身もなくなっちゃってますし、今度は回転させ過ぎたんでしょうか……。回転しすぎて空気も混入しちゃって、加熱したら爆発したってところですかね。

いやあ、その辺の調節が難しい! 回転が弱すぎると、黄身の薄皮が破けずに普通のゆで玉子になっちゃうし、回転が強すぎると白身も黄身も混ざっちゃって、ヘタすりゃ爆発……。

死屍累々……。もちろんちゃんと食べましたよ、思いっきり爆発してるの意外は……

正直「いざとなったらストッキング使えばすぐに完成させられるだろう」くらいに思っていたんですけど……。なにコレ! ものすっごく難しいですよ!

いいかげん、玉子の食べ過ぎで気持ち悪くなってきたので、なんとかここらで成功させたいところ。

そこで、このストッキング法にボクなりにちょっとアレンジを加えてみることにしました。

まず、最初の方法のように、クリップを中に突っ込んで軽くかき混ぜて黄身の薄皮をあらかじめ破っておく。

その上で、ストッキングを利用してほどほどに回転を加える……。

どうですこの、伝統の知恵と最新テクノロジーの出会い的調理法!

回転させる際に、黄身の薄皮を破るほどのイキオイは必要なく、遠心力で黄身が外側による程度の回転を加えればいいという。なんだかイケそうな感じがしませんか!?


おっおっ!

これは……ッ!

きたっ! 黄身が外側にある真っ黄色玉子! とりあえず遠心力は働いているということは間違いありません。そして、中身はどうなっているかというと……。

うーん、うーん。ちょっと汚いけど……。セーフ!

ちゃんと内側に白身があるし! コレこそが黄身返し玉子だといってしまっていいでしょう! ……もう、この辺で勘弁して下さい。玉子を見るのもイヤになりそうです。

ハイ、終了!

幻はやはりなかなか手の届かないもので……

正直、もうちょっと簡単に作れると高をくくっていたんですが、予想を遙かにこえて思いっきり大苦戦してしまいました……。

何が難しいって、カラの中でどうなっているのか分からないものを微妙に調整していくのがホントに難しくてねぇ。

ちなみに、これだけ苦労して作った黄身返し玉子ですが、味はあんまりでしたね。やっぱり一回中身がグチャグチャになっちゃってるので、全体的に味がぼんやりとしているというか……。

ゆで玉子はやっぱり、外側がプリプリの白身、内側がホロホロトロリの半熟黄身というのが一番です。幻は幻のままでよかったのかな……。

ゆで玉子を食べ過ぎて、口が思いっきり温泉くさくなってしまいました

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