仲良しな兄妹
家に戻ってきたら、早速買い足したモーターにプロペラをつける。ハル君の隣では小学3年生の妹ミーちゃんが興味津々に手伝っている。
いくつになっても男の子より女の子の方がしっかりとしていると思う。この歳でも例外なく女の子の方がしっかりとしていた。気がきくのだ。
地主家も僕と弟の2人兄弟で歳も同じように2つ離れている。そして、残念なことに弟の方が昔からしっかりしている。今もそうだ。第二子はしっかりしているのかもしれない。ミーちゃんは女の子で第二子なのでさらにしっかりしているのだ。
その後、ハル君のお母さんがバレーボールに出かけたため、家には僕と石川さん、ハル君とミーちゃんの四人になった。そのとたんに子供たちがフルスロットルになった。元気だ。団子をどちらが多く食べるかで戦争も起こった。
失敗して学ぶこともある
まずはハル君が思った通りに作ってみる。板にモーターを二つ付けてプロペラ取り付け、黒船のようにすすむボートだ。僕もイケるだろう〜と思っていた案だったが、お風呂場で浮かべてみたら、見事に沈んだ。
沈んだ後は、まったりとした「さて、どうする?」という空気が漂った。集中力の糸が切れたのか、まぁ子供は思い思いに元気。パソコンをいじるハル君に、石川さんに遊ぼうと言うミーちゃん。僕はどうすれば浮かぶボートになるんだ! と本気で悩んでいた。
ペットボトルは浮かぶ
ハル君に宿題の進み具合を聞くと80%らしい。この工作ができると90%になるそうだ。かなりのはかどり具合だと思う。ただ「小説が嫌い」というハル君には読書感想文という難問も残っている。ハル君は「興味があるのはニセ金作り!」と言っていた。面白いな、ハル君。
僕のアイデアで沈まないようにペットボトルを使うことにした。いかにも小学生の工作のような素材に、行き当たりばったり感。しかし、僕の工作のフルスロットルである。
子供は相変わらず元気ではしゃいでいた。石川さんに「子供欲しいですか?」と聞いたところ「いらない」とキッパリと言っていた。後でお母さんも「これが40日続くんですよ」と言っていたが、お母さんは大変だ。
子供の話は面白い
作業をしつつハル君と話ていると面白い。 ミーちゃんがいつか夜に急に病院に行くことがあったそうだ。ミーちゃんは泣いていたが、僕も泣いた! とハル君は言う。どうして? と聞くと眠くてと答える。話にオチをつけるあたりが面白い。学校で人気者でしょ? と聞くとそうでもないらしい。急にテンションが下がった。
石川さんが持って来たスイッチにハル君の興味を持って行かれる。電子工作には興味があるらしい。僕は全く電子工作がわからないので、一人黙々と作業を進めた。ハル君と僕は同じステージ立つ仲間だと思っていたが、向上心はハル君が上だ。
ボート作りには完全に飽きているけれど。