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土曜ワイド工場
 
私家版エスカレーターカードをつくりたい

表面にもこだわりたい

いざ自分で作るとなると、トランプの裏と表の両方を印刷しなければならない。問題は表面だ。


トランプといえば、こういった、なんともいえない幾何学模様だが…

これをエスカレーターらしいなにかでなんとか表現したい。
エスカレーターの記号化といえば、特にデパートのフロア案内図が私は大好きで、それももちろんコレクションしているのであった。


とりだしたるは、全国各地で収集してきた、デパートのフロアマップたち。

そうそう、こういうのを参考にしようと思ったんですが

ああ、これは梅田の360度エスカレーター空間、HEP FIVE。
ああ、これは福岡天神イムズの曲がるエスカレーター。楽しかったナァ。

気軽に写真が撮れるようになった現代だけど、現地でしか手に入らないさりげないアイテムってやっぱり素敵だ。旅の思い出がよみがえってついつい眺めてしまう。
じゃなくて、トランプトランプ。


お、この矢印は、わかりやすいし、ちゃんとエスカレーターぽいし、かわいいかも。

早速、見よう見まねでなれない画面上でのデザイン作業にとりかかる。デザインセンスも技量もない私なので、矢印なら手軽につくれると思ったのだが


これでいいのだろうか。だんだん不安になってきた…
トランプというか、なぞなぞカードみたいなあやしげな感じになってしまった。ま、まぁいいや。

 

つづいてエスカレーター54基を選出する

つづいて裏面、いよいよトランプに登場してもらうエスカレーターを選んでいく。
これはいつものことながら、すごくわくわくする作業だ。スペード、クラブ、ハート、ダイヤの4種類にまずは分類しなくっちゃ。

エスカレーターの分類という、永遠のテーマについては思うところがかなりある。きっちり分類する方法として、たとえば日本メーカーにしぼって4社にするなども考えたのだが、やっぱり味気ない。ここではまた、私独自の分類法を持ち出そう。それはこれだ。

スペード : 中間世代
ハート  : レトロ&ファンシー
クラブ  : 未来系
ダイヤ  : オシャレ系

これが、私が編み出したエスカレーターの年代別分類。かなりざっくりだし実際のところとは合っていないかもしれないのだけど、自分の中では明確に基準がある。


レトロ&ファンシーは、大好きなデパートの丸ボディエスカレーターが代表選手。

未来形は最先端の21世紀型。文句なくかっこいいやつ。

オシャレ系は、そのちょっと前だが、デザインにこだわりがあるタイプ。

中間世代はその名のとおり、レトロと最先端の中間にあり、ぶっきらぼうでありながら独特の味があるタイプだ。渋い。

なんのことを言っているかさっぱりかもしれないが、黙ってついてきてほしい。

記号ごとの分類ができたところで、ここからは、トランプの代表的なゲーム、「大貧民」のルールに則ってエスカレーターに数字を割り振っていく。私は大貧民が大好きすぎて、人生のあらゆる局面を「大貧民であれば次はどのカードか」と考えて乗り切っているくらいなのだ。人生をカードで乗り切るって、そういうCMあったよな。
たとえば「スペードの3」なら、「はじめの一手」を意味する重要なカード。


おまえにまかせた!東京駅!
4とか5とかはわりと気楽なカード。きみたちでいいや。

8は「8切り」ルールが適用されるので、すこしワルなやつを。

数字が大きくなってくるとだんだん気合が入る。大貧民ではいちばん強いカードを10しか持ってなくたって戦略しだいでは勝てることがある。また、絵札、そして1と2をどのタイミングで使っていくかが、大貧民の醍醐味。気合の入った連中にしか任せられない。


スペードのエースはおまえときめていたぞ、大崎。
クラブのキングはエスカレーター西の王者、梅田スカイビル。

絵札になると男性、女性の区別があるので、これもまた、なぜかそれぞれ必然的に決まってしまう。フランス人が女性名詞、男性名詞とか決めたときもこんな気分だったろうか。


エスカレーター界の王族たちが一堂に会した。

かっこいい!こんなトランプあったらほしい!だからいま作ってるんだけど!


また印刷します
懸案の表面も、印刷してみるとそれっぽい不思議

ふつうのトランプが入っていたものを解体して箱も作ってあげよう。

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