太郎、ウィンドショッピング
金山にある「アスナル金山」という複合商業施設に立ち寄った。浦島太郎は竜宮城から帰って来た後、日本各地を旅してまわったそうだ。それと同じで僕も旅するわけだ。とりあえず「アスナル金山」で晩御飯を食べたりしたいと思う。
相変わらず、慣れないわらじで足が痛い。 本物の浦島太郎も痛みと戦いながら旅をしたのだろうか。寒いし。でも、歩いていると「浦島太郎だ」と言う声が聞こえて嬉しい。今回の衣装は自分で作ったりしたのだ。なんとなく満足だ。
晩御飯を食べる
お腹が空いたので、晩御飯を頂こうと「カフェ」に入った。 「カフェ」はオシャレな空間である。入っただけで自分もオシャレな気がするから不思議だ。周りがオシャレだから僕もオシャレということになるのだ。オセロで黒に挟まれると白が黒になるのと同じ原理だ。
食事が終わると、もう夜も遅かったので、ホテルを求めて名古屋駅に行くことにした。ここで、ゆっくり一泊するのだ。僕にとっては、今宵の竜宮城である。なんだかそう書くと、ピンクな響きを感じるが、普通のビジネスホテルである。
長野の山奥を目指す
ビジネスホテルで一泊し、浦島太郎が玉手箱を開けた長野の山奥を目指す。そこは「寝覚の床」といい木曽川の上流に位置する。そこは、とても美しく、それに感激し、浦島太郎は玉手箱を開けたのだそうだ。
名古屋駅から「寝覚の床」へ行くのには、3時間以上の電車の旅になる。実際の浦島太郎の時代は電車なんて無いからトボトボ歩いたのだろう。
僕が浦島太郎なら大体1時間であきらめる。その場で玉手箱を開ける。いや、玉手箱を開けるのも面倒だと思い、寝てしまう気もする。
電車は、最初こそ街中を走ったけれど、だんだんと辺鄙なところを走った。宇宙人が大運動会をしていても誰も気がつかないような、のどかな場所だ。
中津川駅で「松本」行きの電車に乗り換え、「寝覚の床」の最寄り駅である「上松」を目指す。コチラは最初から、宇宙人がギネスを目指した巨大ピザを作るイベントをやっていても誰も気がつかない、のどかな場所を走った。
上松へ
電車に揺られ、紅葉に急ぐ山並みを窓の外に見ながら、上松を目指した。もう浦島太郎の格好は2日目なので僕に馴染んできている。付き合って3年目みたいな倦怠感を感じるくらいに馴染んでいるのだ。わらじ以外は。これはずっと痛い。
浦島太郎が、玉手箱を開けた「寝覚の床」はとても綺麗だそうだ。以前働いていた会社の上司が20年くらい前にそこに行って感激したと話してくれた。
それを聞いてずっと行ってみたいと思っていた。ダイエット中の甘い物を食べたいという欲求のように、行ってみたいと思っていたのだ。
そして、来てしまった。つまりダイエット失敗だ。