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土曜ワイド工場
 
浦島太郎の足取りをたどる大冒険

最後の道のり、痛い足

上松駅に着いた。
3時間の道のりはとにかく暇で、頑張れば1000ピースくらいのジグソーパズルなら完成したかもしれない。乗り物酔いしやすい繊細な体の持ち主なので、もしそれをやったら酔って吐いていただろうけれど。とにかく着いた。


案内所で道を聞く

案内所で道を聞いたら「その格好ですと『寝覚の床』に行かれるんですよね」と先制攻撃をされ、丁寧に道を教えてくれた。30分くらいの道のりらしい。

わらじで30分。最後の試練だ。


歩く、とにかく歩く

わらじが、こんなにも痛いとは思わなかった。
弟に蹴られて骨折した時くらいに痛かった。靴のありがたさを改めて知った。小学生の頃、裸足の方が速いと思い、運動会では靴を脱いで走っていたが、あの時脱いだ靴に謝りたい。あなたは偉大ですと。


歩く

着いた!(喜びのジャンプ)

着いた時の喜びと言ったらない。
僕が本当の浦島太郎ならば、頑張った自分へのご褒美としてスイーツを買っていただろう。そういうニーズがあるからなのか、隣にセブンイレブンがあった。そりゃ、スイーツも買うよ。


予算の関係でスイーツは買えなかったけれども

ご対面!

臨川寺というお寺があり、その下が「寝覚の床」となっている。ここには宝物館があり、そこに浦島太郎の釣竿が納められている。

それが本物か否かは分からないが、何事も信じることが大切なのだ。僕は先月のガス代を払ったと信じている。払った覚えは無いけれど、信じているから大丈夫だ。


古いですね

釣竿も見たし、やっと「寝覚の床」とご対面だ。もしこれがテレビならば、そのご対面に司会者は涙、涙だろう。フルマラソンを走り終えたような充実感がある。フルマラソンを走ったことは無いけれど、こんな感じだろうと思う。

そして、初めて見る「寝覚の床」はやっぱり美しかった。浦島太郎がここで玉手箱を開けた気持ちも分かった気がする。


絶景が広がる

美しさに見とれてか、誰も浦島太郎だと騒がない、チヤホヤしてよ

近くに行きます

 

感激へ


険しい道のりの先に

険しい道のりを、わらじで歩き、どうにかこうにか、「寝覚の床」に降り立った。その瞬間、全ての時が止まった気した。川の流れる音は遠く、目の前には、大迫力の景色が広がる。言葉が見つからない。


すっげ!

スケール感がすごい

川の流れる音は遠くと書いたが、比喩的な話ではない。
「寝覚の床」だけは水の流れがまるで止まっているように見えるのだ。

「寝覚の床」の下流では、マラソン大会のスタート合図が出されたかのように一斉に水は流れ始める。上流は逆で、だるまさんが転んだのように、一斉に動きを止める。それが神秘さを高めているように思える。


急に流れ出す(上流はその逆で急に止まる)

巨大ですべすべした岩の迫力にも圧倒される。
これがもしカツアゲならば、すぐに有り金全部を出してしまう。警察の取調べならば、たとえ自分が何もやっていなくても「僕がやりました」と言ってしまうかもしれない。


とにかくすごい

一見の価値あり

1時間ほどここで過ごした。
本当は帰りの電車の都合を考えれば(本数がとにかく少ない)、30分で切り上げた方が良かったのだけれど、時間を忘れて、ただただボーっとしてしまったのだ。玉手箱を開けた浦島太郎の気持ちも分かる。僕もタッパーでも開ければよかった。持っていなかったのが残念だ。


喜びのジャンプ!

寝覚の床
上松駅からは南へ2q。徒歩で30分くらい。
詳細:上松町観光協会

一度は行くべきだ!

浦島太郎伝説は全国各地に存在する。
今回は、武豊町の伝説と寝覚の床の伝説の2つを訪問したわけだ。どちらも楽しくて仕方が無かった。ここ最近で一番楽しかったと思う。

しかし、帰りは電車を1時間も待つことなり、キツかった。
エアコン等が無い駅でひたすら待つのだ。コンビニなどもない。日が暮れると、女子高生に硬球を投げつけられているような痛さを感じるほどに寒い。女子高生というシチュエーションがあるならまだいいが、実際は一人でただただ寒いのだ。帰ることを考えたら、そりゃ、あそこで玉手箱開けちゃうよ!

暗くて寒い

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