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コラボ企画
 
東急ハンズの店頭で、いらないものを集める

企画その1:いらないものガチャガチャ

イベントの目玉となるのは3つ。一つずつ紹介していきたい。

まずはいらないものを持ってくると、誰かのいらないものが詰まったガチャガチャを一回まわすことができる、いらないものガチャガチャである。

自分にとってはいらないものでも、他の誰かにとってはいるものかもしれない、そんな偶然の出会いを期待した企画だ。

しかし一口に「いらないもの」といってもどんなものがあるのだろう。イベント中に集まったものの中からいくつかを例として紹介したい。

ピクルス専用フォーク。
オオカミウオのぬいぐるみ。
冷却シート。
アクセサリー類。

うむ、いらない

ピクルス専用フォークは、その名のとおりピクルスを瓶からつまむときにだけ使う専用フォークである。日本人、そんなピクルス食べないのでいらない。 そしてオオカミウオのぬいぐるみ。実物をかなり忠実に再現していてかわいくない、いらない。冷却シートも熱がなければいらないし、アクセサリーについても、まあ一瞬考えるが今のところいらない。

でも、である。

たまたま明日アメリカからの留学生が家にホームステイしにくるかもしれないだろう。その彼が故郷アメリカを思ってホームシックになったとする。そんなとき、このピクルスフォークがあれば彼もカントリーマームを思い出して元気になってくれるかもしれない。オオカミウオが限定的に好きな人がいるかもしれないし、夕方熱が出るかもしれないのだ。アクセサリーは、まあ趣味があえばラッキーだ。

そう考えると捨てるには惜しいのだ。ならばここで誰かのいらないものと交換しよう。

読み終えたこち亀。
鏡開きするの忘れてた餅。
間違えて買った本(新品)。
ヘリコプターのラジコン(プロポ付き、飛ぶ)。
ヘビ柄のシャツ。
使い捨てカイロはこの日寒かったので大当たりとされた。

「いらないもの」の基準は人それぞれである。しかしすべてに共通して言えることは、見るだけでなんとなくドラマを感じるということだ。どうして本を間違えて買っちゃうのか、想像するだけで20分くらい暇つぶしできるだろう。

ライター小堺さんが持ってきていたゴム人形。いらないんですか、と聞くと「そうじゃない、家族なのでつれてきた」と。
そのゴム人形の股関節を力で外すライター西村さん。家族がいらないものへと変化しそうになった瞬間である。

100%いらないものはない

誰かのいらないものが誰かにとってはものすごくほしいものであることがある。それがこの企画の狙うところだ。

たとえば僕がほしい!と思ったものがこれ。

キャラクタースリッパ。

他にもカレーの匂いの練り消しとか「千の風になって」のCD、パワーストーンの腕輪などなど、それはいらない!というものからむしろほしい!というものまで、実にたくさん持ち込まれた。

そして「いいいらないもの」を引き当てると、お客さんは概してびっくりする。だっていらないものがいきなりラジコンヘリに変わったりしたらなにか魂胆があるんじゃないかと疑いたくもなるだろう(ないんです)。

その他、イベントを知らずに東急ハンズに買い物に来ていたお客さんが、たまたま見つけて寄ってくれることもあった。

いま新しいパスケースを買ったから古いのいらない、と提供してくれた学生さん。
石。まごうことなき、石。
途中まで使ったけど、やっぱりいらないやって気づいたシール。
本体がないので使えないゲーム(次の日にライター北村さんが偶然本体を持ってきてた)。
子どもがビー玉ひとつ握り締めてやってきたときには心が震えた。これ、おまえの宝じゃないのか。
川で貝の化石を掘ってきた、とのこと。貴重ないらないものである。
どうしてもガチャガチャだけやりたそうな子どもがいたので、なんでもいいから持っておいで、と言ったら輪ゴム持ってきた。
普通にお土産くれる人も(スタッフが美味しくいただきました)。
ガチャガチャに入れられるかどうかの判定は会場係の独断による。

今回のイベント、3日間で500人以上の人がいらないものガチャガチャを回してくれた。このシステムに救われたいらないものがそれだけの数あったということだ。いやあ、いいことをした。

ガチャガチャの前ではみんな「なんかないかなあ」とカバンをあさっていた。


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