四国の海沿いを走っていると、「海賊料理」の看板が目につく。 初めて聞くぞ海賊料理。 最近海賊ブームだからな。 パイレーツ・オブ・カリビアンの続編とか、漫画のワンピースとか・・・ んー、よくよく考えるとそんなに海賊ブームはきてない。 そうではなく、海賊料理というのは、昔からある徳島県県南地方の名物料理らしい。 そんな海賊料理、食べてきました。
(text by 上杉 天馬)
乱立する海賊料理のお店
徳島の県南地方でやたらと目につく、海賊料理の看板。 この地方の名物料理らしいのだが、るるぶ等のガイドブックではなぜかノーマーク。 きっと海賊だからだ。
ガイドブックにも載っていないのなら、それ以上調べる努力をせず、何も知らずに海賊料理を食べに行ってみよう。 どんなものが出てくるんだろう、というドキドキがあった方が楽しいし。
海賊料理だからといって、敵の頭蓋骨をくりぬいてそれで酒を飲んだり、なんてことはないだろう。
海賊の本拠地へ
海賊料理を食べさせてくれるお店までの道は、複雑に入り組んだ海岸線。 海賊の砦はこういった所にあるというのは、なんかの本で読んだことがある。
海賊料理を食べさせてくれる、海賊の家は海の上にあった。
海賊料理を食らえ
海賊料理、一体どんなものが出てくるのか? 机の上には、網焼きの道具が出てるし、壁には焼き方の説明が書かれた紙が貼ってある。 何かを焼くことは確かだ。 何を焼くかも、壁の説明文を読めば解ったりするのだが、それは知らないでおこう。
運ばれてきたのは、5種類の魚介類。 生きたまま。
海賊料理とは、四国の海でとれた新鮮な魚介類を、新鮮なまま焼いて食べる料理だった。 新鮮なまま、つまり生きたまま焼いて食べる。
貝なので、ダイナミックな動きはしないが、地味にもだえてるのが解る。
別名は残酷焼き
生きたまま焼くという行為には、なかなか抵抗があるものの、焼かないことには始まらない。 貝より始めよという中国故事があるので、大アサリから焼いてみるが、その中国故事は字も意味も違う。 本当は、大アサリが一番生きてる感がなかったからだ。
海賊料理は残酷焼きといってもいいだろう。 実際に、元々を残酷料理と言い、イメージが悪いので今の海賊料理となり、地域の名物料理になったらしい。 残酷焼きなら各地にあったりもする。 ぶっちゃけ、海賊料理という言葉からもっと珍しいモノを想像していたので、少し拍子抜けだった。 ちなみに、僕がイメージする海賊の食事は、骨付きの大きな肉とタルに入った酒だから、それがそのまま出てきても困るのだが。
海賊料理5000円は安かった・・・
海賊料理の内容は、5種類計7個の焼物と刺身の盛り合わせ、それにご飯と味噌汁がついたもの。 僕は新鮮な魚介類の価値がよく解らなかったので、ここでもぶっちゃけると、5000円は高いと思っていた。 満腹にならなかったし・・・
ただ、店の人に言わせると、この値段で伊勢エビは普通出ないらしい。 また、ちゃんと世間を知っている大人の方から言わせると、この内容で5000円は安いらしい。 そうかー、安いのか・・・
以前、うに丼をを食べて、これ卵かけご飯だ、松屋で食べられるじゃん、的な発言をして大ひんしゅくを買ったことがある。 今回も、別に生きたまま焼かなくても良いかなー、と海賊料理の根源を否定するようなことを思っていた。 んー、今後、食べ物のレポートはひかえようと思う。
そんな感じなんだけど、海賊料理の感想を・・・ とても美味しかったです。 歯ごたえも楽しめたし、噛んだ時に口の中に広がる汁も甘くて美味しい。 徳島県(香川や高知にもあります)に行った際には是非。