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ローソン焼たらこ

ローソン焼たらこ
焼たらこ ローソン 125円(冷え性って治るのだろうか)

伝統行事や恒例行事にも必ず一回目がある。
どういうつもりでその行事を始めたのかは分からないけれど、今となってはそれらは「伝統行事」や「恒例行事」と呼ばれている。雑誌などでその行事が紹介される時も、「伝統行事の○○が最初に行われたのは江戸時代のことで…云々」などと書かれるだろう。「伝統行事」や「恒例行事」にも必ず一回目があったわけだ。

いつだったか、知人の女性に回転寿司をご馳走になった。
ボーナスが出たから奢ってくれるということで、僕は犬のように尻尾を振って出かけた。僕は回転寿司が好きなのだ。それは夏のボーナスの時で、奢ってもらう回転寿司はいつもより美味しく感じた。

それから季節は流れ冬になった。
夏のボーナスの時に回転寿司を奢ってくれた知人の女性に電話で「回転寿司食べたいな〜って、冬のボーナスの時期だしね〜アハハ」とふざけた感じでなんとなく切り出してみた。また奢って欲しかったのだ。「え〜、何で?」と笑いながら彼女は言った。

そこで、僕は冒頭に書いた「伝統行事」の話をした。
どんな伝統行事にも一回目があるのだ、と。だから「ボーナス時に回転寿司をご馳走なる」はもう伝統行事なのだ、と。伝統行事は伝統あるものなので途切れさせてはいけない、だからご馳走してください、と。

彼女はご馳走してくれなかった。
伝統は途切れた。全国各地にある伝統行事のすごさを改めて感じた。そう何回も回数を重ねることはできない。簡単に伝統行事はなくなってしまうのだ。「ボーナス時に回転寿司をご馳走なる」という伝統行事のように。

そして、「焼たらこ」にも伝統を感じた。
ただでさえ美味しい魚卵を焼くことで、考え知れないような味の深みが発生する。昔から何度も食べてきた安心の味だ。伝統の味なのだ。また、今だけたらこが増量中らしい。これをここで途切れさせてはダメだ。ずっと増量中でいて欲しいと思った。いつまでも変わらぬ味でいて欲しいと願ってやまない、おにぎりだった。 ( 2010/12/06 21:00:00 )




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