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コネタ


コネタ340
 
浮かれ電飾を鑑賞する
こういうやつ

エレクトリカルパレードの音楽が聞こえてきた。眼前には華やかな光のページェント。

ここは、舞浜。

といってもあのネズミの国にいるわけではない。そのすぐそばにひろがる住宅地にぼくはいる。しかしここにもエレクトリカルパレードがあるのだ。ある意味。

以前からすごく気になっていた、一般家庭による「浮かれ電飾」。商業施設の手によるクリスマスイルミネーションではなく、普通の一般家庭がなぜか豪勢に自らの住宅をイルミネートしてしまう、あれのことだ。ぼくがいま名前付けたんですけど。

12月になると街のいたるところで目にする、この浮かれ電飾。今回はこの光の競演を、ここ舞浜からレポートしたい。

(text by 大山 顕

浮かれ電飾のメッカ、舞浜

都市部の住宅地ならどこでもみられるこの浮かれ電飾。「舞浜の住宅地が凄いらしい」と情報をもらったので行ってみた。

すごかった。

きけばここはテレビのニュース番組などでも取り上げられた有名な浮かれ電飾住宅街だとか。


この住宅街のなかで典型的な浮かれストリート。ちなみにこの通りの一本横の通りには一軒も浮かれ電飾ハウスはなかった。浮かれ電飾は凝集する傾向にあることがうかがえる。

かなり交通量の多い国道の脇に造成されたこの住宅街。クルマの騒音から住環境を守るため、住宅地の周りは防音壁で囲まれている。まるで中世ヨーロッパのの城下町のようだ。

その城壁に囲まれた住宅街のなかで静かに伝染する浮かれ電飾。騒音から良好な住環境は守ったのはいいが、これでいいのか。いいのかべつに。心配しているのはぼくだけか。

浮かれ電飾の是非は置いておくとして(だからそれを問題視しているのはぼくだけなのだが)、今回はその浮かれ方をパターン化してその見所を解説したいと思う。こういうやり方を博物学的アプローチというのだ。たぶん。

 

↑ケース01 几帳面だがやや面白みにかける

基本形〜植え込みタイプ

浮かれ電飾が施される家のアイテムとして最も基本的なのが植え込みである。極端な話、植え込みが電飾されていない浮かれ電飾ハウスは皆無と言っていいだろう。浮かれ電飾はまずは植え込みから。このことは基本としてぜひおさえておきたい。

いくつかみていくと、そんななかにもバリエーションがあることに気がつく。ケース01などはもっとも基本的なタイプだ。しかし、この規則正しく浮かれ電球を這わせるやり方は、そつがないとは言え見た目としては少々単調で退屈だ。植え込み面積をカバーする電飾の効率も良いとは言えない。これはおそらく浮かれ初心者の手によるものだろう。


↑ケース02 点滅の具合もなかなかのもの

これがややベテランになってくるとケース02のようになる。ややランダムに電飾を這わせるやりかたに「おれが浮かれるのは今年が初めてじゃないぜ」という自負がかいま見える。


↑ケース03 おしゃれにクロス模様

これがさらに上級者となるとケース03や04のようになる。少ない電飾で効率よく、視覚的にも効果的に植え込みをカバー。相当の手練れである。しかも電球の色やちょっとした小物使いにも工夫がみられる。そうとうの浮かれっぷりだ。


↑ケース04 テーマはブルークリスマス。上級者だ

特にケース04などは今年のトレンドである青色LEDをあしらった、浮かれの名品。寒風吹きすさぶ12月の夜空を寒々と照らし上げている。


↑ケース05 あまりじっと見てはいけない感じだ

一方で浮かれっぷりがあらぬ方向へ熟成してしまった例がケース05である。その造形にはなにやら不穏なものを感じる。モザイクをかけるべきだっただろうか。

幼児期の満たされない欲望が浮かれ電飾に現れてしまった、と言ったところだろうか。いずれにせよクリスマスにはまったくもってふさわしくない。

浮かれイルミネーターの心のヒダを映し出す浮かれ電飾。ちょっとした箱庭治療のようでもある。

 

↑ケース06 手慣れた浮かれプレイはお見事

基本形その2〜ツリータイプ

クリスマスの電飾対象物の王道といえばやはりツリーだろう。夢の庭付き一戸建て。東京へ直通15分。ツリーの一本や二本植えないでどうする、という郊外の心意気とあいまって、ツリーへの浮かれ電飾にはそれなりのこだわりが見える。

ケース06はツリーを中心とした、手慣れた浮かれプレイが見事である。ツリーへの電飾の量も多すぎず少なすぎず、必要にして充分。足元に置かれた小物使いも心憎い。ていうか、だんだん浮かれ電飾の選球眼が養われつつある自分が嫌だ。


↑ケース07 左右の枝でテーマカラーが違うのも解せない

ケース07はツリーの貧弱さをカバーしようと一生懸命電球を這わせたものの、どうも出来映えは芳しくない。元が貧弱であるならばそれに合わせたシンプルな浮かれ設計が求められる。貧弱な体型だからってピンクハウスを着ればいいってものじゃないのである。ちょっとちがうか。


↑ケース08 こういうクラゲがいた気がする

だからといってケース08はいかがなものか。電飾をケチったのか。一体浮かれたいのか浮かれたくないのか。

 

↑ケース09 交差点という立地を生かした浮かれプレイ

2階からタイプ

次に紹介するのは2階から1階に向かって放射状に電飾を展開するタイプである。ダイナミックに高低差を活かしたその造形の起源は、おそらくツリーにある。

比較的少ない電飾の量ながら人目を引く派手さを演出できるこの浮かれアイテムは、やや上級者向けのものと言えるだろう。

ケース09は植え込みやツリーにはそれほど力を入れず、2階からの展開を主題とした好例である。手を抜くところで手を抜く。ベテランとはそういうものだ。


↑ケース10 「浮かれ」の名にふさわしい

ケース10は対照的に、植え込みやツリーなども充実したなかに展開された例。電球の色に派手さはないが、いかんなく浮かれっぷりが伝わってくる。浮かれ上級者だ。なんかトナカイとかいるし。


↑ケース11 なんかだらしない。嫌いじゃない

一方、確かに浮かれてはいるがそういうことじゃないだろう、というのがケース11である。流行の青色LEDをあしらったはいいが、植え込みをオーバーダイブして前面にカスケード。ツリーの造形の名残は、もはやここにはない。

「なんか長さ余ったし、ついでに植え込みも飾っとくか」という感じか。左横の植え込み電飾といい、全体的に投げやりの感がある。浮かれるなら全力で浮かれていただきたいと思う。


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