あと30分でB・Sに会える。
豆まき台の上が準備で慌ただしくなり、機動隊も出動。
「座って待っていらっしゃる皆さん。立ってお待ち下さい。後ろの人たちが詰ってきています」
立ち上がり前につめると、僕は最前列に。
そこに格闘家たちの名札をもった係員たちが台上に現れる。どうも、豆をまく人は定位置でまくらしく、僕の前に団しんやさん(今回豆をまくのは格闘家たちばかりではなく、団しんやさんや松本伊代さんといった芸能人も名前を連ねている)の札がかけられたら、僕は団さんからしか豆をもらえない、という仕組みになっているようだ。
僕の前には誰の札がかかるのか?
もしB・Sじゃなかったらこの3時間は何だったんだ?
息を飲んで係員の作業を見つめる。
その時、目の前にB・Sの札が!!
周りから大歓声が沸き起こる。
僕の斜後ろにいたオジサン(1人で来ている)が興奮して、若い女の子2人組に話しかけている。
「B・Sの目の前だね」
「えっ!オジサンもB・S見に来たの?」
「そうなんだよ、デジカメも持って来たよ」
「良かったよねー」
なんだなんだ? いい雰囲気だぞ。
携帯で友達に報告している女の子もいる。
「B・Sがね、ワタシの目の前でね、豆をまくのよ!」
電話を受けた友達がバイト中とかだったら、いい迷惑に違いない。
役割分担でもめる男2人。
「俺が豆を取るから、お前が写真撮って」
「いや、俺が豆を取る」
「いや、俺だ」
会場アナウンスもヒートアップ。
「お巡りさんからお願いです。皆さん、殺気立っていませんか?」
「前の人を決して押さない様にお願いします」
そうだそうだ。将棋倒しにでもなったら最前列の僕はひとたまりもない。
みなさん。押さないようにお願いします。
それぞれの思いを胸に、いよいよB・Sが登場する。
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