番外編、某ネコパークへ
ついでに、某ネコパークにも行ってみた。
ネコが放し飼いになっていて、入園料を払うと、自由にさわれるというアレだ。
入り口には、「今日いるニャンコ」のポラロイド写真が、コルクボードに留めてあった。下には名前が書いてある。
風俗っぽいな、と思いながら入室すると、係員に、ほんの少量のニボシを渡された。
「ネコちゃんに、あげてくださーい!」
ニボシを配っている場所には、目ざといネコが集まっていた。私はすぐにしゃがんで、そこにいたネコに、ニボシをあげた。
中は満員御礼、年齢層もバラバラの猫好きでみっしりだった。
ネコを加減知らずにギュウギュウ抱く子供。
眠るネコをなで続ける、中年男性、女性。ネコジャラシを持った、デート中らしき若いカップルもいる。
床にあぐらをかいて座り込んで、ネコと話している、40代くらいの女性もいた。嫌がるネコを無理矢理つかまえて抱いていた。ネコは身体をつっぱらかせて、逃げようとしていた。
ネコたちの表情はみな曇っていた。1日中なでられ続けるのは苦痛だろう。さわると「痛い」というような顔をするネコもいた。
ネコを商売にするのが悪いとは思わない。実際、谷中の「ねんねこ堂」のネコたちは、じつに幸せそうだった。
けれどこの日のネコパークは、明らかに容量を超えていた。場の大きさとネコの数、人間の数が合ってない。毎日、出頭するネコは交代で変えているようだったが、それでもネコはストレスで疲れきっていた。
強すぎる力でネコにさわる人を見て、「この人、ネコ飼ったことないのかなあ……?」と思った。
ネコとコミニケーションがとれてないことに、気がついてないのかもしれない。何しろお金を払っているし、さわらないとソンだ。
見ていられなくて、すぐにパークを出た。
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