林：素性がわからないほうが怖いですよね。
大塚：このチューブとか、ぜんぜんわからないんですが…。
林：チューブこわいわあ。ヘビよりこわい。
大塚：なんのチューブですかね？
林：ケーブルじゃないか？これ。
大塚：光ケーブル？
林：こんなところにブロードバンドが。

大塚：タミヤはバイクの模型ですかね、これ。
林：そうですね、レーサー仕様の。なんで捨てちゃったんだろうなあ。
大塚：空き箱なのでは？
林：あ、空箱か。ならいいや。「そういえば、ハコ、いらねえなあ」って思ったのかな。でもこれ普通のゴミにだせるだろう。
大塚：そうですよねえ。
林：………盗んできたのかなあ。
大塚：でも、このへんプラモが買えるようなトコないです。
林：でも、盗んできてまでプラモ作りたくないか、ちまちまと。わかんないや。でもプラモみたいに、欲しくて欲しくて買うものが捨てられてるのは、切ないです。
大塚：そうですね。

大塚：これは一斗缶、落ちて腐ってました
林：椅子にしたのかな。炎を囲んで座ったみたいに見えるし。
大塚：ああ。
林：ひだりはじが田中邦衛、おくがホタル、手前がじゅん。
大塚：あ、そうきたか。
林：思い浮かぶでしょう。三人の会話が。
大塚：私は「ブレアウイッチプロジェクト」とか思い浮かべました。ひとりひとり、雑木林の魔女に殺されていくんですよ。
林：僕はもうすっかり炎に照らされた田中邦衛の顔を思い浮かべていたよ。パチパチパチ（薪が燃える音）
大塚：林さん、「北の国から」見てないって言ってましたよね？
林：フフ。

大塚：山栗はどうでしょう。これ、みんな中身が入っていて、虫が食ってましたけど。誰もひろいに来ないみたいですね。こわいからか？
林：こんな都内でおちてたらあっという間になくなるけどなあ。栗は、おれ、興奮するなあ。
大塚：そうすか。来年ひろいにいきましょう。
林：俺の出身地の練馬の雑木林って、ゴミしかおちてないんだよ。
大塚：自然のめぐみは無い、と。私は雑木林っていうと山栗とかカラスウリとか思い出しますけどね。

大塚：マヨネーズは、ビーチコーミングとかぶってますよね。
林：……雑草食ったのかなあ。
大塚：……あー、なるほど
大塚：スマップの香取慎吾が昔、やってたっていうヤツですね。雑草に片っ端からマヨネーズつけて食べた、という。でも全部つかわなくても。
林：たき火でもしたのかなあ。
大塚：さあ。
林：わっかんねえなあ。これは。微妙に謎。ビーチコーミングだと「船員さんが捨てたのかな」とか「海外からかな」とかときめくけど。雑木林だとなあ。「近くのヤンキーか？」ぐらいしか。
大塚：ヤンキーが？　マヨネーズを？
林：……いや、違うな。ほんと誰だ？