豚はどうだ
次は豚の角煮を作って、味の違いを見てみたい。 どうか「料理のさしすせそは守ろう!」と言いながらガッテンボタンを心置きなく押せる結果になってほしい、と願いながらの実験だ。
まずは豚を20分ほど蒸してから、下茹でをしていく。
ひとつはいつもの手順(砂糖→醤油)で作り、もうひとつは順番を逆にして煮ていく。
作業行程の違いは、匂いに出た。 「醤油だけで煮た豚は、当たり前だけど醤油の匂いがダイレクトにするなぁ。角煮としては、きっとイマイチだろうなぁ」という匂いだ。
これは味にハッキリした違いが出るだろう、と期待をして煮上がるのを待った。
見た目的にはあまり変わりません
箸で皿に移す時に、さっそく違いが現われた。肉の柔らかさが違う。
「砂糖が先」の肉は、今にも崩れそうにホロホロだが、「醤油が先」の肉は崩れる気配さえ見せず、しっかり箸で持てる。
実はあれ、一度やってみたかったのだ。
そこで「せっかく大量に作ったのだから」と、会社に持っていって他人に食べてもらうことにした。
予想外の評価
ジャッジは、会社の昼休みを利用することにした。
職場では目立たないように、おとなしく仕事をしているので、「あのー、すみませんが、これ食べてみて貰えませんか?」とひたすら低姿勢でのお願いである。
不審そうな同僚に「ひとくちで構いませんので」だの「ちょっとしたリサーチというか、どっちがおいしいかなー、と思って」だの適当な理由を付けて、なんとか食べてもらうことに成功した。
「これからは、普段から人と積極的に関わって行こう」と思った瞬間だった。
Aさん「うん、おいしい」 私「え、どっちがですか?」 Aさん「いや、どっちも」 私「へ? どっちも?」 Aさん「うん、こっちがちょっと甘いかな。それに少し柔らかいかな…。でも両方ともおいしよー」 私「あのー、…気をつかうとかじゃなく、本当に?」 Aさん「うん。本当に」
「いままでの苦労はなんだったんだろう」と思わずにいられない結果となった。料理に関しては少しだけ自信があったのだが、その自信もろとも崩れ去った感じである。
まとめ。 料理なんて経過はともかく、おいしく出来ればいいんだ! ちきしょう! ガッテンガッテンガッテン!