循環バスで山越え
最後に、循環バスというやつに乗った。 街の中心部から山越えをしてグルっと一周し、また同じ場所に戻ってくる路線。 「山越えする時がスリリングですよ。」 という情報を読者の方からいただいていたからだ。
このよくわからないバスツアー、やってみるとけっこう楽しいことに気付く。普段だと「早く目的地につかないかなー」と退屈に思うことが多いバス移動だが、今回はそもそも目的地がないのだ。たったそれだけの違いで、乗っている時の気分が全然違う。
ひょっとして、「人生」というやつも目的とか目標とか設定しないでいた方が気楽に暮らせるのではなかろうか? 人生がどんなにマイナー路線に進もうと、それ自体を楽しむ。どこに向ったっていいじゃないか。
そんな考え方もありなのかなーなどと考えつつ、車窓から山々を眺める。
車内アナウンス
やがて道の傾斜がさらにきつくなった。 車内アナウンスが流れた。
「この先上り坂で急カーブになります。ご注意ください。」
おおお! なんだかちょっと興奮して来たぞ。 さぁ来い!上り坂、急カーブ。
過度に期待したせいか、上り坂も急カーブも大したことはなかった。そもそも期待の仕方が間違ってるのだが。。
下り坂に入ると、再び車内アナウンス。
「この先下り坂で急カーブになります。ご注意ください。」
来た来た! 今度こそ来い!さぁ下り坂、急カーブ。
途中、下り坂の途中でいきなりバスが停車。 そこからバックして切り返しを始めた。 なんだなんだなんだ、どういうコース設定なんだこの路線は。
いや、でもバスがバックしてはいけないなんてルールはない。人生もまたしかり。
結局、下りも私が期待したほどの急斜面、急カーブではなかった。(だから期待する方が間違いだって。)
ずっと一番前の席に座って、ほぼ一周乗っていたので 「こいつはどこに行きたいんだ?」 と、運転手に怪しまれていかたもしれない。もしかすると。
以上、長崎バスツアーでした。
実は私はいわゆる観光バスツアーって参加したことがない。団体行動で束縛されるんではないか?と思って敬遠してるが、世間では人気があるみたいなので実際参加したら楽しくて病み付きになるのかもしれない。
先日友人が家族4人でバスツアーに参加したと言っていた。お土産に巨大な生鮭を一人一匹ずつ合計4匹くれたそうで、どうやって食べたらいいか途方に暮れていた。 「熊じゃねーんだぞ!」 とか言っていた。 それはそれで面白そうだな、と思った。