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ひらめきの月曜日
 
雨のスワンボートめぐり

目の前に広がる黒い池

だんだんと景色を堪能する余裕も

これも係員さん撮影

スワンボートはとても安全です

「前に漕ぐと前進、逆に漕ぐとバック。進路はハンドル切れば曲がります。では、気をつけていってらっしゃい!」

係員さんの手慣れた指導であっという間に一人、海上へ。観念してぎこぎこ漕ぎ出す。ぎこぎこぎこぎこ。やはり重心がやや片側に偏る。そういえば私泳げないのですが、大丈夫なんでしょうか。

そんな心配は、しばらく漕いでいると全くの杞憂であることに気づいた。雨は降っているが風が弱いのもよかった。ぜんぜん揺れないのだ。

小学生のとき、教室で椅子の重心を後ろにかけすぎてよく真後ろに転倒した。年に3回はやった。6年間で18回転倒した計算だ。それにくらべればスワンボートの安定性はまるで心配するに足らない。

漕ぎ飽きると、池の真ん中でボートをとめた。池には私のスワンボート一台が浮かぶきりだ。落ち着くと、徐々に一つの海を手にした気分でうきうきしてきた。この海、取ったりー! 池だけど。

せっかくなので、一度岸辺に戻って係の方にカメラを渡し、その勇姿を撮影してもらうことにした。

「ばーっと池の真ん中ぐらいまで漕ぐので、手を振ったらシャッター切ってもらえますか」

記念撮影には慣れているそうで、係の方はバシバシ私のスワンの漕ぎっぷりを写真におさめてくれた。


妙な雰囲気の写真が撮れてた

続々と漕ぎ出されるスワン

待機スワンの頭にとまる鳥もいい雰囲気

ジャッキー・チェンさんも体験

雨はやまない。が、私が降りる頃になるとわらわらお客さんがやってきて3台のスワンボートが岸を離れた。中国や韓国からの観光客の皆さんに雨でも晴れでもスワンボートは人気なのだそうだ。

意外な観光客需要。さすがに一人で乗り込む船乗りは少ないらしいが、以前ジャッキー・チェンさんがテレビ番組の撮影で一人で乗ったことがあるそうです。

それにしても、雨の中で一人で漕ぐスワンボートというのは妙な風情があった。

ごーん、ごーん。

池のほとりに建つ弁天堂の鐘が鳴る。池でスワンボートに乗るという、明るく楽しく懐かしいレクリエーションのイメージとはどこか違う、何か、別ベクトルの魅力をぐっと感じた。

これは何なんだろう……。続いて井の頭公園のスワンにも乗ってみます。


上野公園

〒110−0007 東京都台東区上野公園
上野公園案内所  03−3827−9420

ボート場営業時間
平日 11:00〜18:00 休日 10:00〜18:30
定休日 2005年は11月まで無休
雨天の営業 「やってますけど、濡れます。スワンボートでも前からも横からも雨、入ってきます」(係の方談)
スワンボート :700円(30分)
ロー(手漕ぎ)ボート:600円(60分)
サイクルボート:600円(30分)


 

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