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特集


はっけんの水曜日
 
気化熱で安く涼む装置を作ってみる

私の夏が空き缶で終わる

多摩川の河原では、ゆく夏を惜しむように大勢の人が集って、いろいろ焼いたり飲んだりしていた。その中に空き缶を大量に持っていき、水を汲んで組み立てるのは、どうなんだろう。どんな楽しみなんだろう。これも「夏フェス」といえるだろうか。そうだと誰か言ってくれ。


空き缶で実験したりしないほうの人々。

簡易トイレの横に水場を見つけたので、缶に次々水を注入。友人Y氏も手伝って次々冷媒ができてゆく。

ガムテープで巻いて積んでいきます。

途中、トイレに来たお兄さんが「なにやってんの?」と声をかけてきた。

来た。困るわけですよこういう状況のときに、善意の人に声をかけられるのは。説明に困るわけです。たどたどしく、でも不審がられないようになるべく社会との接点を保った説明を心がけるわけですよ(「取材でー」とか「実験してるんです」とか)。

全身に刺青を入れ日焼けした、その岩城晃一似のお兄さんは、それでもなんとか理解を示してくれた。そして「缶ならあっちのゴミ箱にもいっぱいあるよ!」と教えてくれた。エールをありがとう、がんばるよ、草太兄ちゃん。


風向きをチェック。
風に直角になるように缶タワーを配置。

さて、実験だ!風もいい感じで吹いている。

しかし、缶の後ろに腰を下ろしたとたんに風がぴたりとやんでしまった。手近にあるものであおいでみる。


あおげるものでとにかくあおげ!
(予想と大いに違う結果に肩を落とす気持ちを表した写真)

うーん、涼しくは、ないね。

やがて風が復活したが、すでにお盆過ぎの夕方の風は、缶タワーを通さなくても十分涼しいと言ってよかった。


・・・。
「そっちいっちゃだめよ」と道をそれていった親子。

そうなりますよね。

これもストロー冷風扇をとりつけたときと同様、風は缶の柵よりも、柵の周りのほうを大量に通ってくる。やはりふつうの家のサッシ窓で、風の通り道を制限して行えばよかったのだろう。


(実験のあとの脱力感を表す写真)

PodCastingチームには、「冷風扇自体が風をさえぎっている」と言われました。

また課題だらけで終わる。

幼い日のあのテレビ映像を、完璧に再現することはできなかった。むやみに河原に行けばいいというものではない。

私の家は窓が斜めにしか開かないので実験できないが、今度実家で再度挑戦してみようと思う。

皆さんももしよければお試しください。うまくいったら風の便りでもいいのでお届けください。


 

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