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特集


ロマンの木曜日
 
中華屋の厨房実況中継

足元が滑りやすい
この中華鍋でほとんどの料理を

実況スタート!

12時をまわり、最初のお客さんがやって来た。
オーダーラッシュに入ってしまう前に、厨房の状態からお伝えしよう。

(ここからは実況、住。解説、彭さんで実況中継風にお送りいたします)

住「厨房の床ですが、かなり滑りやすくなっていますね」
彭さん「そうだよ。気をつけないと転ぶよ」
住「ええ、僕はさっき早速転びそうになりました」
彭さん「駄目だよ。怪我するよ」
住「気をつけます。それから、あの中華鍋ですが、あれで大体の料理を?」
彭さん「そうね。あれ一つで十分ね」
住「その中華鍋を中心に、李さんの周囲1メートル以内に大体の調味料が配置されています」
彭さん「えっ? 何?」
住「調味料が李さんの近い所に置いてありますが」
彭さん「そうだよ。全部手が届くところにあるよ」
住「なるほど、1メートル以内に道具を集める。そこが素早い料理のポイントのようです。是非、自分の仕事にも生かしたいと思います」


中華鍋の右側に調味料 李さんの後ろにも調味料と溶き卵
ファイアー! チンジャーロースー

踊る様に鍋を振る
熱くない
天津飯4人前!

住「最初の料理が入りました。あれは?」
彭さん「チンジャーロースー」(きれいな発音で)
住「凄い炎が上がってますけど、大丈夫でしょうか?」
彭さん「全然大丈夫よ。でも熱いからあまり近づかない方がいいよ」
住「ええ、気をつけます。それにしても李さんの動きがリズミカルです」
彭さん「えっ? 何?」
住「李さんが踊ってるようです」
彭さん「そうね。彼が一番疲れるね」
住「おっと、1分も経たないうちにチンジャーロースーが出来上がりました。速い速い」
彭さん「すぐに次の料理ね」
住「あっ! 布巾で中華鍋の中を拭いてますが、あれは熱くないんでしょうか?手に火があたってますが」
彭さん「大丈夫よ。彼、慣れてるから熱くないよ」

ランチタイムに入ってから10分ほどが経過した。
気づくと店内は満席で、ホールの女性から次々にオーダーが入る。中国語でのやりとりなのでどんなオーダーが入っているのか分からない。

住「次から次へと注文が入っていますが、李さんはオーダーを全部把握してるんでしょうか?」
彭さん「王さんが分かってるね」
住「ええっと、どちらの王さんでしょうか?」
彭さん「2人とも」
住「なるほど、その辺はチームワークで立ち向かう訳ですね。あっ、王さんが並べたお皿の上に天津飯が盛られていきます。流れる様なコンビネーションです。届け天津飯、お客様のもとへ!」
彭さん「まだだよ。あんかけかけなきゃ」



 

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