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特集


チャレンジの日曜日
 
都会の巨木・保存樹木鑑賞会

木があるはずの場所の近辺でさら地を見つけるとドキリとする。
近所のおばさんに道を聞く。犬にすごくなつかれました。巨木にふれあって僕の体からマイナスイオンが出てるからです。(てきとう)

二本目は大森の住宅街にある高さ30mのイチョウ。

二本目は高さ30mのイチョウがあると聞いて大森にやってきた。

しかし例のごとくまた道に迷ってしまった。巨木に関していろいろ資料を集めたのだが、どうも古いデータが多く、細かい番地などもわりとアバウトなものも多い。そのためそれらしき場所の近辺で、さら地になった土地を見ただけで「ひょっとしたらここに巨木があって、伐採されてしまったのかも」といやな予感を覚えたりする。

しかし、いい事もある。

道を聞くとみな親切にいろいろ教えてくれる。「このあたりにある大きなイチョウの木を探しています」と話すとみんなほほえましい顔で案内してくれる。おじいちゃんに話しかけたら
「あー、あの木かね。あの木はなー、東京でも1,2を争う大きなイチョウでなー、秋になると綺麗に紅葉するんじゃ」
と、木のうんちくをいろいろ話してくれた。
普段、おじいちゃんの世代の人とは、親族でもない限りなかなか話しかけたくても共通の話題が思いつかなくて話しかけにくいものだが、巨木は世代や性別を選ばない。巨木の前で人は平等である。どうだ、入りたくなっただろ? 巨木・保存樹木鑑賞会。

買い物中のおばさんに聞いてようやくたどり着きました。


巨木・保存樹木2 光福寺のイチョウ


見つけた!

巨木発見! おじいちゃん曰く「東京で1,2を争う巨木」だ。おじいちゃんの話はあながち言い過ぎでもなく、高さ30m、幹周り7.4mの巨木の中の巨木である。

お寺の入り口の門が写真の真ん中に見えるが巨木のおかげで今にも木のパワーに押しつぶされそうなくらいだ。
さっそく近づいてみると……。


もう大きすぎて何がなんだか分かりません。たった一本の木を目の前にしているだけだが、密林に来たと見まごうような幹と枝と葉の連なりがそこにあった。


幹も太い! 
これが乳根。鍾乳洞のようだ。
これは歩いて5分ぐらいの場所から撮影したもの。近所のマンションより高く、遠くからでも見える。

樹齢800年の巨木!

なんとこの巨木、推定樹齢800年である。800年前って事は西暦1200年から生きてきた事になる。

ちなみに西暦1200年といえば、日本はようやく鎌倉時代に入ってきた頃である。「いい国作ろう鎌倉幕府」の8年後である。
検討つかないぐらい古い。そりゃ巨木に成長するはずだ。しかし実際に現場に行ってもらうと分かると思うのだが、古い木という印象はまったくなく、今も脈々と力強く生きている雰囲気だった。
不老不死とはこの木の事を指すんじゃないか。

木、すげー。
巨木鑑賞会、いいでしょ。

また、古い木にあると言われる乳根がありました。乳根とは、左の写真のように、幹や枝から垂れ下がったものを指す言葉らしいです。鍾乳洞みたいですね。

光福寺のイチョウ

巨木度:★★★★★
由緒度:★★★★★
窮屈度:★★★★

800年生きたこのイチョウにとっては大森の街は狭すぎる! という事で窮屈度は4点。2つめにして早くも満点に近い得点がでてしまいました。

DATA
品川区指定天然記念物
高さ:30m  幹の外周:6.4m
住所:東京都品川区大井6-9-19
最寄り:JR京浜東北線大森駅、湘南新宿ライン西大井駅



 

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